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【四つ葉のタクシー】乗って幸せ 信じにゃ損々

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写真1400分の4の確率でしか出会えない「四つ葉号」。記者も乗ったことはない=京都市右京区、小玉重隆撮影イラスト絵・グレゴリ青山写真シンガー・ソングライターの石野田奈津代さん

 京都を訪れるたびに必ず探すものがある。天井灯と後部ドアに四つ葉のクローバーが描かれたタクシーだ。普段よく見かけるのは三つ葉マーク。ヤサカタクシー(京都市)が約1400台走らせている。しかし、うち4台は三つ葉ではなく、幸運のシンボルである四つ葉の「当たり」。巡り合えるのは1400分の4という確率だ。

   ◇

 導入は8年前。雨でぬれた葉がくっついて偶然四つ葉になった天井灯のタクシーに乗って幸運が続いた客がおり、遊び心で始めた。もちろん「当たり」といっても、乗車記念のカードとシールがもらえるだけだ。なのに、口コミで広がり、今や「観光地で信号待ちをしていると、写真を撮ろうとする人だかりができる」と同社営業部の北野均さん(51)。「適当に走って」と乗り込む客、足をばたつかせ「やっと乗れた!」と騒ぐ若い女性。タクシーに向かって手を合わせるおばあちゃんもいるぐらい、ありがた〜い存在のようだ。関西文化に詳しい前垣和義・相愛大客員教授は「おみくじ感覚で楽しめる、寺社の多い京都ならではの試み。金をかけず、うまく客の心をつかんでいる」と感心する。

 「四つ葉号」は簡単に乗れるものではない。電話予約や指名はだめ。基本は流しだ。では、どうすれば? 「繁華街や有名な観光地で1日待っていたら、見かける確率は高い。担当する6〜7人の運転手にはそれぞれ得意な地域があり、空車になると、自分のテリトリーに戻ろうとする傾向もある」と北野さん。うーん、難しい。

   ◇

 京都市左京区の看護師、西村沙織さん(28)は昨年6月、勤務を終えて寮に戻るとき、手を挙げて偶然止めたタクシーが四つ葉号だった。当時、「ただの友達」だった警備会社員の貴司さん(30)のことが気になっており、「今なら勇気が持てるかも」。数日後にケータイのメールで貴司さんに思いを伝えた。2人は今月19日、京都市内のホテルで結婚式を挙げる。

 ほかにも、四つ葉号に乗った人から幸運の便りが続く。「病気のペットが元気になった」「就職で内定をもらった」「宝くじが1万円当たった」「妊娠した」……。

 でも、それって本当に四つ葉号の御利益? そもそも単なる会社の商魂では? いえいえ、四つ葉号に乗り込む乗務員の玉記茂和さん(64)は言う。「乗ったお客さんは、『絶対いいことがある』と上向き思考、プラス思考になるんです」。そうかっ、当人たちの信じる強い気持ちが、幸運を引き寄せているのかもしれない。

 半信半疑のアナタ、この秋、京都で紅葉狩りならぬ、「四つ葉探し」はいかが。信じるものは救われる!?(稲垣大志郎)

■推薦

シンガー・ソングライター 石野田奈津代さん(30)

見ればテンション上がる

 東京の神津(こうづ)島出身です。自然の中で育ったので、クローバー畑があると四つ葉を探したくなります。四つ葉号のことを知ったのは約2年半前。ステキだなと。その後、「クローバー」という曲を出し、ヤサカタクシーさんとコラボ企画も実現しました。京都滞在中はタクシーを見る癖がつき、すでに5〜6回は見ました。テンションが上がって、ハッピーな気持ちになりますよ。ぜひ、目をこらして探してみて下さい。

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