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ますます勝手に関西遺産

【京橋グランシャトー】昭和の男 いらっしゃい

2011年2月2日

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写真:「ナイトクラブ香蘭」のひばりさん(左から2人目)。「うちはええ子ばっかりよ」。セット料金は40分2500円から=大阪市都島区、中里友紀撮影「ナイトクラブ香蘭」のひばりさん(左から2人目)。「うちはええ子ばっかりよ」。セット料金は40分2500円から=大阪市都島区、中里友紀撮影

写真:京橋グランシャトー京橋グランシャトー

イラスト:絵・グレゴリ青山絵・グレゴリ青山

写真:リリアンさんリリアンさん

 庶民の街、大阪・京橋。京橋花月付近にはおしゃれなカフェも増えたけど、朝から一杯引っかけるご機嫌なおじさんもいる。そんな街にそびえ立つ、西洋の城を模した黄色いビル。「知らんの?」と知人があのCMソングを披露してくれた。「♪京橋は ええとこだっせ グランシャトーが おまっせ」。でも、一体どんなところ?

 壁には「総合レジャービル」のネオン。パチンコにゲームセンター、カラオケ、サウナ、キャバレー、中国料理店まである。戦後雑貨商などで財をなした故・林宗恩(むねお)さんが1971年にオープンさせた。フランス語で「大きな城」を意味する名前は、建設中に公募して決めたという。「ビルが次々と立っていく高度経済成長時代。街に平面的に展開していた盛り場を、ビルの中に立体的に収めたのでしょう」と建築史に詳しい橋爪紳也・大阪府立大教授。城の外観は、非日常の場であり楽しさや豪華さを表現したもの、とみる。

 そんなビル内でもひときわ目立つキャバレー「ナイトクラブ香蘭(こうらん)」を訪ねてみた。入店すると、エスカレーターの側面が虹色に輝いている。約200人が入るフロアには深紅のボックスが並び、ステージ付近にはミラーボールがキラキラ。生バンドが「ムーンライトセレナーデ」をゆったりと奏でる。まさに「昭和」。タイムスリップしたようなレトロ感が漂う。

 「よう来てくれはったねぇ」。名物ホステスのひばりさんがロングドレス姿で迎えてくれた。高校卒業後、すぐに別のキャバレーに入店し、この道四十ン年。今は週3日の出勤だが、ずっとナンバーワンの座を誇り続けてきた。気さくな大阪弁で、初めて来店した客ともすぐに打ち解ける。笑顔の裏で、苦労も重ねた。男にほれて貢いだことは数知れず。「貢いでへんかったらマンション二つも三つも買えてるわ」。夫に先立たれ長男を若くして失った。それでも来世も女に生まれたい。「ええ男に出会えたら、女は幸せやから」

 「キャバレーは、10年、20年選手の女のコはザラです」と金子広支配人。新人ホステスと出会った若い会社員が出世を遂げ、幹部となっても指名を続けてくれる。経済と同じで「右肩上がり」の夢があった。バブル期の85〜90年ごろは連日客が殺到。さすがに今は客足は減ったが、中高年には根強い人気で、女性客もちらほら。

 ひばりさんの隣に泥酔した50代ぐらいの常連客がやってきた。そのまま座り込んでうとうと。「この人、寂しいねん」。ひばりさんがそっとつぶやく。時代遅れ? いいえ、疲れた中高年を優しく包むオアシス(ハート) ♪グランシャトーへ いらっしゃい!(角谷陽子)

■推薦

 タレントのリリアンさん

 一日中遊べる京橋のUSJ

 社長が知人だった縁でCMに出演させてもらってます。東京でも北海道でも、関西人を探す時は「♪京橋は」と声をかければわかるわよ。「香蘭」でカラオケで歌い、照明を浴びればスター気分。生バンドもあるし、プロのホステスさんが老若男女を楽しませてくれるわ。スーツでなくても行ける、気軽な感じもいいわね。サウナやゲームセンターもあって、意外と安い価格で1日中遊べる「京橋のUSJ」。まさに「ええとこ」です。

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