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ますます勝手に関西遺産

【ナゾのパラダイス】 迷える男女 救いたまえ

2011年6月9日

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写真:「ナゾのパラダイス」の外観拡大「ナゾのパラダイス」の外観

写真:若いカップルが訪れる「ナゾのパラダイス」。館内には男女和合の神をまつる神社もある拡大若いカップルが訪れる「ナゾのパラダイス」。館内には男女和合の神をまつる神社もある

写真:壁に貼られた格言集。ただし、根拠は不明拡大壁に貼られた格言集。ただし、根拠は不明

写真:館のそばにある、これもなぞの「UFO神社」=兵庫県洲本市、中里友紀撮影拡大館のそばにある、これもなぞの「UFO神社」=兵庫県洲本市、中里友紀撮影

地図:  拡大  

イラスト:絵・グレゴリ青山拡大絵・グレゴリ青山

 〈ハーハー笑うところ〉〈3倍おもしろい〉。浮き立つ看板に誘われ、入った館内の奥に、くすんだ神社があった。鳥居の両脇には、なぜか、背丈ほどもある木彫りの男性シンボルが10本。長さ3メートル、直径60センチの“超大物”もゴロリ横たわる。彼氏とデートで訪れた看護師の女性(26)は「ここまでくると、もう芸術ですね」と屈託なく笑う。

 「ナゾのパラダイス」は、淡路島のスイセンの名所「淡路立川(たちかわ)水仙郷」に併設した施設。花は季節モノ。通年で客を呼び込もうと、館長の東田芳高(よしたか)さん(85)が約30年前に開いた。「古物収集の趣味が高じてHなものも集めていた」と療養中の館長に代わって長男亮(あきら)さん(59)は言う。性に関する珍品などを展示しているため、18歳未満はお断りだ。

 各地のこうした「秘宝館」は、団体旅行の衰退、過激な性描写の広がりで逆風にあえぐ。ここも例外ではない。だが、週末には若いカップルら20〜30組が遠方からも訪れる。編集者で写真家の都築響一さん(55)は、著書「ROADSIDE JAPAN珍日本紀行 西日本編」で、「安っぽすぎて偉大と呼べるグレードにまで到達していて、見事。絶句必至の珍名所」と評している。

 独特のおかしみが確かに漂う。館のそばにある「UFO神社」、「チンチン音頭」と刻まれた碑など「?」がいっぱい。入り口には〈おしべと めしべのことを まなぶところ〉とおどけた文字も。

 館内には男女の関係をめぐる様々なうんちくが記されたパネルが並ぶ。その一つは、〈妻の浮気を知る法〉として、〈キジを食べさすとすぐわかる。クロだと赤いぶつぶつができる〉と説く。「ホンマかっ!」と、誰もがつっこむに違いない。圧巻は壁一面に貼られ、A4判で約500枚はある手書きの格言集。館長が書をひもとき、妄想にふけり考えたとか。〈女のひっかけ方〉では、〈声をかけてとめられなくても30メートルは追いかけてみる〉。力強い筆跡とは対照的に、根拠は、全く不明。けれど熟読してしまう。

 実は当初の名称は「淡路島秘宝館」。それが、1989年に「探偵!ナイトスクープ」(朝日放送)で珍名所「パラダイス」として見いだされ、名前も変えた。強烈な個性とすさまじいエネルギー。そして、どこまでも一生懸命。ちょっとズレた感じも、だから、たまらなくいとおしくなる。パラダイスの魅力って何でしょう? 「みんな笑って帰るんですよねぇ。そこかな」と亮さん。

 さて、格言集の中で女性の共感を集めるのは、〈『スキ』かと問はれ『スキ』と答える男の本心…。かなり割り引いて考えたほうがよい〉。ここ、勉強にもなるかも!?(高橋健次郎)

   ◇ 

■メモ

 兵庫県洲本市由良町由良2877の22。電話0799・27・2653。入場料は500円。

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■推薦

 「探偵!ナイトスクープ」ディレクター 石田ひろきさん(50)

 完成されたテーマパークとは対極にあるものを取り上げようと、今も続くパラダイス企画を始めました。淡路の施設はその第1号、発祥の地です。パラダイスにはどう解釈してよいか迷うものも多い。でも、上から見下ろすと否定になる。おもしろく見える角度に自分を移して見ることが、パラダイスの楽しみ方。秘宝館だって、普段接することのない豊富な知識を与えてくれるところ、と思ってみては?

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