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ますます勝手に関西遺産

【地ソース】どっぷり 濃いキャラ

2011年7月14日

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写真:住宅街の一角にある工場から、ふわ〜んと甘酸っぱいソースの香りが漂う。製造から瓶詰め、ラベル貼りまで全部手作業だ=大阪府羽曳野市のツヅミ食品、中里友紀撮影拡大住宅街の一角にある工場から、ふわ〜んと甘酸っぱいソースの香りが漂う。製造から瓶詰め、ラベル貼りまで全部手作業だ=大阪府羽曳野市のツヅミ食品、中里友紀撮影

写真:関西の地ソース拡大関西の地ソース

写真:松浦克行さん拡大松浦克行さん

イラスト:絵・グレゴリ青山拡大絵・グレゴリ青山

 東京から最近転勤してきた記者はどうにも気になって仕方がない。ピカピカの大阪駅ビルに、どこからともなく漂うソースの香り。飲み屋街だけでなく、会社近くのビジネス街でも、帰りの電車ですら、ぷ〜ん。だが、周囲の関西人に「大阪ってどこもソースの匂いしますよね」と振っても「そうか?」と薄い反応。記者の鼻が変なのか、周囲の感覚がすでにまひしているのか……。

 「粉もんとまさに一緒に走ってきた。大阪の食文化はソースやと思ってます」と話すのは老舗メーカー大黒屋会長で大阪ソース工業会の大西一雄会長(77)。粉自体に味のない粉もんはソースが味の決め手。「他店に負けない味」を求める店の要望に応える形で、大阪では地元のメーカーが店ごとに少量の地ソースを作り分けてきた。たこ焼き用など専用ソースも関西生まれだ。

 一方で、業務用ゆえに長らく名前も表に出ず、地元の飲食店や酒屋でのみ流通してきた。いわば黒衣か月見草。だがここ数年、その個性あふれる味が客を引きつけている。

 その一つが、ツヅミ食品(大阪府羽曳野市)の「鼓いちじくソース」。4年前に地元産のイチジクやタマネギを使い開発。高橋康営業部長(44)は「香辛料の利いた伝統の味を守りながら、ふわっとしたフルーツ感も出すのが大変。ソース作りは簡単そうやけど味のバランスがむっちゃ難しい」と話すが、個人向けの売り上げは、数年で10倍になった。

 ソースが主役の粉もん屋もある。難波の「やん!」には、大阪を中心に各地の地ソース82銘柄180種類がそろい、料理に応じて客が好みのソースを選べる。“ソースソムリエ”の店主、澤田敏行さん(51)は「マニアのお客さんが情報をくれるので種類は増え続けています」。

 澤田さんの勧めで“利きソース”に初挑戦した。5種類をえびせんにつけ、ぱくり。甘い、スパイシー、しょうゆっぽい……。確かにどれもソース。でも、金子みすゞではないが、みんな違って、みんないい。

 卵焼きやチャーハン、鶏のから揚げにもソースをかけるという常連の筒井紀則さん(50)は「しょうゆ飲むよりソース飲んだ方が絶対おいしいで」。筒井さんらはソース好きが高じて音楽グループ「粉もんファミリー」を結成し、代表曲「大阪ソースCITY」で高らかに歌う。

 ♪茶店でピラフにソースをかけて、イタリアンにもソースをかけて、天ぷらにさえソースをかけて……このトロミとコクが大阪や!

 鉄板を前に、熱すぎるソース愛に当てられ思う。地ソースブームは、近頃はやりの地域密着アイドルと同じかも。「ソース」と一くくりでもおいしいけど、それぞれの個性がわかるともっと楽しめる。というわけで、OJS(大阪地ソース)48! 推しメンならぬ、あなたの推しソースを見つけてみては?(久保智祥)

メモ 地ソースはラベルの独自デザインも楽しい。「大黒」は七福神の大黒様、「ヒシ梅」はひし形の中に梅の花、「パロマ」はオリーブの実、「ヘルメス」はギリシャ神話の神ヘルメスが持つ“カドゥケウスの杖”をあしらっている。

■推薦

阪神百貨店梅田本店売り場担当・松浦克行さん(37)

おみやげにいかが

 3月に地下食品売り場に「地調味料」のコーナーを設け、大阪の地ソースも17種類集めました。価格は210〜630円。地元のお客様のほか、観光客にも大阪らしいお土産として好評で、1日に60本ほど売れます。とくにつぼ型容器の串カツソースは大人気。私もスタンドで串カツにソースをたっぷりつけて食べるのが好きですが、地ソースが身近な味として支持されているのがうれしいですね。

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