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ますます勝手に関西遺産

【もみじの天ぷら】サルも好みのお菓子やで

2011年11月24日

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写真:包み紙は、昔の商品名「葉衣」のまま。植田和隆さん(右)は「客が『天ぷら、天ぷら』言うから、いつの間にか『もみじの天ぷら』になった」と笑った=大阪府箕面市、中里友紀撮影拡大包み紙は、昔の商品名「葉衣」のまま。植田和隆さん(右)は「客が『天ぷら、天ぷら』言うから、いつの間にか『もみじの天ぷら』になった」と笑った=大阪府箕面市、中里友紀撮影

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イラスト:絵・グレゴリ青山拡大絵・グレゴリ青山

写真:元トランポリン五輪代表の廣田遥さん拡大元トランポリン五輪代表の廣田遥さん

 紅葉の名所、大阪の箕面公園。その名物といえば、「もみじの天ぷら」。訪れた人なら、一度は食べたこと、ないですか?

 売っているのは、阪急箕面駅から箕面大滝へ続く遊歩道沿いのお土産屋さん。20店ほどが軒を連ね、どこも店先の目立つところに鍋を置き、香ばしい匂いを漂わせながら一枚ずつ手作業で揚げている。

 その名のとおり、モミジの葉っぱを油で揚げた天ぷらだが、天丼に載る「天ぷら」とはひと味違う。こんがりしたきつね色を口に入れれば、カリッとした歯ごたえとともに素朴な甘さが広がる。

 「天ぷらと言っても、かりんとうのようなお菓子。初めての人はびっくりされます」と箕面物産商組合の組合長を務める「宝栄堂」の植田和隆さん(73)。昔は、「葉衣(はごろも)」という風流な名で売られていたという。

 「伝統銘菓」というだけあって、いわれは古い。1300年も昔、箕面の山で修行していた修験道の開祖・役行者が、鮮やかに色づいたモミジに魅せられ、葉を灯明の油で天ぷらにして旅人に振る舞ったとか。

 広く知れ渡ったのは明治期。電車が開通し、観光地としてにぎわいを見せ始めると、名物として売る店が増えていった。

 3代目の植田さんもほぼ毎日、天ぷら作りに精を出す。「年中揚げるけど、やっぱり紅葉の季節が一番忙しい。揚げなあかんし、葉っぱも採りにいかなあかんし」

 聞けば、意外と手間ひまがかかっている。赤い葉を揚げると黒ずんでしまうため、使うのは黄色く色づく「一行寺(いちぎょうじ)カエデ」という品種。紅葉シーズンになると、組合で育てる林や近畿一円の寺社に出かけ、旬の葉を収穫。形がきれいなものを選んで水洗いし、塩水にほぼ1年浸してアクを抜く。それを塩抜きし、小麦粉、砂糖、ゴマを加えた衣をつけて菜種油で揚げる。葉の形そのままに揚げるには熟練の技がいるそうだ。

 実はこの天ぷら、熱狂的なファンがいる。昨年8月の「関西遺産」に登場したもう一つの箕面名物、ニホンザルだ。最近は減ったが、以前は店先にそーっと近づいては袋ごと持ち去った。「一度目をつけられたらアウト。仕事になりません」

 台風や日照りも材料の葉っぱの不作を招く。自然に左右される商売ゆえの苦労は多い。

 11月初旬、ようやく木々が色づき始めた遊歩道には、天ぷらをほお張りながら散策する人の姿もちらほら。

 「目で楽しみ、舌で味わう。1枚のモミジで2度、おいしい」と市商工観光課の小木曽充浩さん(31)。

 記者も1枚いただいた。パリパリ、ポリポリ。見ても食べても楽しい秋って、なかなか、ない。(深松真司)

    ◇

メモ 1袋60〜70グラム入り300円から。基本的な作り方はほぼ同じだが、店ごとに使う素材や味付けを工夫していて、食べ比べるのも楽しい。地方発送も可。問い合わせは箕面交通・観光案内所(072・723・1885)。

    ◇

■推薦

元トランポリン五輪代表・広田遥さん(27) 

そこにしかない特別感

 箕面出身の私にとって、お気に入りのスイーツ。見た目もかわいらしく、サクサクした食感がたまりません。

 初めて食べたのは小学生の時。本物の葉っぱが入っていて、ちょっと驚きでした。もみじまんじゅうに葉は入ってませんから。油で揚げるので選手時代は食べないようにしていたけど、時々無性に食べたくなった。滝道に行かないと買えないというのも、特別な感じです。

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