2012年1月19日
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芝生に寝転がって、好きなだけ漫画が読める。そう聞いて、京都国際マンガミュージアムを訪ねた。2006年11月のオープン以来、毎年20万〜30万人が訪れる新「名所」だ。
蔵書30万冊のうち5万冊が、「マンガの壁」と呼ばれる開架書棚に収められ、自由に読める。廊下やメーン展示室の壁一面に漫画が並ぶ様子は圧巻だ。休日になると、漫画を楽しむ人で館内はあふれている。
「漫画、めっちゃあるなあと思って。来てよかった」と喜んでいたのは、京都市下京区の小学5年小林龍太郎君(11)。師走の休日、母親に連れられて初めて来た。1階の廊下に座り込み、食をテーマにした「トリコ」を一心不乱に読んでいた。
母の知子さん(40)は、2階で少女漫画に熱中していた。傍らに積まれていたのは、山を舞台に青春を描いた「こちら愛! 応答せよ」。
子どものころ最初の何巻かを親に買ってもらって読んだが、完結巻までは読んでいなかった。「忘れていたものに出会えた。漫画を読めばいつでも主人公になれるんです。ここなら何時間でもいられそう」と目を輝かせていた。
ミュージアムは、マンガ学部をもつ京都精華大学と京都市の共同事業。建物は昭和初期に建てられた小学校の旧校舎で、レトロな雰囲気も魅力だ。入館者は増え続け、11年末で累計135万人。同年春は震災の影響で「特に海外のお客さんが激減した」(広報担当者)が、客足は徐々に戻りつつある。1年間有効のフリーパス(大人6千円)は年平均600〜700枚売れるという。
漫画の収集、整理という「図書館」としての機能のほかに、漫画に関する調査研究をする「博物館」としての役割も果たす。その一つが、原画の精巧な複製を作るプロジェクト「原画ダッシュ」だ。
ただスキャンしてパソコンに取り込むだけでなく、原画をより忠実に再現するべく、色の調整や試し刷りを繰り返す。傷や書き込みも再現する。現在は京都精華大マンガ学部長で、漫画家の竹宮恵子さんが独自に始めた研究が基礎となっており、すでに14人の少女漫画家の作品508枚の複製原画を保存している。
研究員の倉持佳代子さん(28)は、「原画そのものの展示は劣化や紛失のおそれがあって難しくても、原画ダッシュならできる。精巧な複製なので、描かれた当時の時代背景や制作過程がよくわかり、漫画家を目指す人にとっても勉強になる」と説明する。今年はフランスやハンガリーでも展示される予定という。
一息つこうとカフェに入ると、ミュージアムを訪れた漫画家のサインやイラストが壁一面に描かれていた。隅から隅まで、漫画のエネルギーに満ちあふれた場所だ。(沼田千賀子)
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■推薦
漫画家 うえやまとちさん(57)
肩ひじ張らない楽園
08年、僕の作品「クッキングパパ」(講談社「モーニング」連載)に登場する料理作りのイベントがあった。それに招かれて以来、毎年、料理イベントで腕をふるっています。ここはマンガのパラダイス。マンガをきちんと文化としてとらえ、日本マンガのすごさを説明してくれる。でも、肩ひじ張らず誰でもぱっと行って読めるところがいい。近かったら、僕ももっとしょっちゅう行きたいです。