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ますます勝手に関西遺産

【大阪讃岐うどん】エエとこは つるっと吸収

2012年1月26日

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写真:うどんは麺が命。もっちり食感を楽しむ=大阪市中央区、寺脇毅撮影拡大うどんは麺が命。もっちり食感を楽しむ=大阪市中央区、寺脇毅撮影

イラスト:絵・グレゴリ青山拡大絵・グレゴリ青山

写真:要潤さん拡大要潤さん

 大阪のうどんといえば「きつね」と思っていたが、実はけっこう讃岐うどんの店が多い。タウン誌にも「大阪讃岐うどん」や「関西讃岐」の文字が躍り、ブームの様相だ。

 でも、本場とは何か違うの?

 「讃岐うどんの特長の麺の食感を打ち出しつつ、大阪人の好むダシにマッチングさせた、いいとこ取りです」と教えてくれたのは、2003年に「釜たけうどん」を開いた木田武史さん(55)。ブームの火付け役だ。

 通によると、大阪で初めて讃岐うどんが広まったのは大阪万博(1970年)のころ。だが、多くは大阪人好みのダシに合わせて麺を軟らかくした。「大阪うどん化」だ。

 そこに木田さんが新風を吹き込んだ。讃岐うどんに感動して脱サラ。「ダシより、うどんそのものを楽しむ店をやろう」と決意した。

 だが、コシの強い麺をそのまま大阪のカツオや昆布のダシに入れてもおいしくない。かといって、讃岐で主流のイリコダシは独特の風味で万人受けしない。そこで、好みに差があるダシを売り物にするよりも、食感や見た目で勝負することにした。

 考案したのが「ちく玉天ぶっかけ」。今や大阪讃岐の代名詞だ。

 香川でも珍しいほどの極太麺を冷水で締めるぶっかけをベースに、ちくわと半熟卵の天ぷらを、別皿でなくどーんと丼の中へ入れて出した。

 「イリコの薄いダシより、(カツオブシなど)節(ぶし)系の濃いダシの方が天ぷらの衣に染みるとおいしい」。ツルツル、モチモチ、サクサク、トロリ。食感の四重奏で一躍人気に。

 さらに木田さんは、このメニューを他店にも使うよう呼びかけた。卵の殻むきが難しいと聞けば、むきやすいスプーンを100円ショップで見つけ配り歩いた。釜たけを巣立った研修生の店は10以上。そこで学んだ孫弟子、ひ孫弟子の店まである。

 そんな横の連携で磨かれた関西讃岐の人気はうなぎ登り。店も順調に増え、今や100店舗以上とか。

 関西の店主やファンら200人以上が熱いうどんトークを交わす「新麺会」も、今月で9回目。「同じ粉でも作る人によって無限に違いが出る。色んなうまいうどんがあった方がいい。関西では店もファンもみんな仲間。ライバルはラーメンです」

 香川出身の岸本圭史さん(43)は5年前、「関西讃岐うどん西国三十三カ所巡礼」を始めた。50店の「札所」を決め、うち33店を食べ歩けば「満願達成」。第4回だった昨年の達成者は約250人。「香川から参加した達成者も10人以上いる」

 食文化に詳しい雑誌「ミーツ」の元編集長、江弘毅さんは「各地のうまい物を取り入れて自分の看板で売るのは大阪の得意技。そのうち讃岐の記号も外れる」と見る。大阪の地に太く長く根付きつつあるようだ。(久保智祥)

     ◇

メモ 釜たけうどん(06・6645・1330)は、大阪市中央区難波千日前4の20。地下鉄なんば徒歩5分。関西讃岐の店舗情報は「巡礼」のホームページ(the−road−to−sanuki−udon−ep4.jimdo.com)に。

     ◇

■推薦

俳優・うどん県副知事 要潤さん(30)

香川からもっと広がれ

 讃岐うどん、ブームですね。7年くらい前からかな。じわじわきていると感じます。映画「UDON」も追い風だった。「大阪讃岐うどん」ですか。初めて聞きました。でも、故郷の食べ物が全国に広がるのは喜ばしいこと。私も「うどん県副知事」として、香川やうどん県の名前が全国に広まることを祈っています。ぜひ本場、香川にも足を運んでおいしい讃岐うどんを召し上がってください。

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