最後の営業運転でJR岡山駅を出発する0系新幹線「こだま659号」をカメラに収めようと、多くのファンが集まった=30日午後2時40分、高橋孝二撮影
「夢の超特急」といわれた初代新幹線0系が30日、44年間の営業運転を終えた。「団子っ鼻」を思わせる独特の先頭車両で親しまれ、日本の高度経済成長を支えたが、より速い車両の登場と老朽化で引退が決まった。0系のとまる新大阪―博多の各駅や車内は、別れを惜しむ鉄道ファンらであふれかえった。
最終列車は岡山午後2時51分発の博多行き「こだま659号」。JR岡山駅21番ホームは約250席の自由席を求める客や、ラストランをカメラに収めようとするファンら約2千人が押し寄せた。出発時には「ありがとう」と叫ぶ声がホームに響き、涙ぐむ人もいた。
自由席車両の乗り場にいた広島県東広島市の大学生、小野寿子(ひさこ)さん(21)は「0系は古くて遅いけど、なんかかわいい。『定年退職』を祝いたくて午前5時から待ちました」と話した。運転したJR西日本の永田満志(みつし)さん(59)は新幹線運転士歴33年。「運転の厳しさも喜びも、0系が教えてくれた。長い間ご苦労様とねぎらってあげたい」
64年のデビュー時、0系は営業運転としては世界一の時速210キロを誇り、在来線で6時間半かかっていた東京―新大阪間を4時間に短縮。翌年には3時間10分に縮めた。12月6、13、14日に実施される臨時の「さよなら運転」(完売)後、すべて廃車となる。(青田貴光)