堺市からチンチン電車がなくなる? 9月の市長選で初当選した新市長は、前市長時代の市中心部での次世代型路面電車(LRT)新設事業について中止を明言。計画では、大阪・堺両市を結ぶ阪堺電車(路面電車)の堺市内区間もLRT化し、一体整備する予定だった。赤字路線の「生き残り策」に黄信号がともり、愛着を持つ市民らは気をもむ。
午前6、7時台の阪堺線浜寺駅前(堺市西区)。通学の小中学生や会社員、お年寄りらが、1両編成の天王寺駅前行きに次々と乗り込んだ。ほぼ10分間隔で出発。いずれも10〜20人が利用していた。
「電車は、ホームにたどりつくまで随分歩かされる。路面電車は道路からすぐ。乗るのが楽でいい」。堺市中心部の病院に向かう途中の高石市の女性(76)は、つえをつき、足元を確かめながらゆっくりと乗車した。堺市内の男性会社員(41)は「採算だけでもし廃止されたら、生活で使っている市民はどうしたらいいのか」と心配する。
旧市街地にあり、阪堺線とほぼ並行して南北に商店が並ぶ山之口商店街。かつては心斎橋と並ぶ繁華街と呼ばれ、阪堺線とともに栄えた。堺山之口連合商店街振興組合の原田憲一理事長(71)は「大阪と堺を結ぶツールをなくすのは簡単だが、あまりにもったいない。阪堺線の再生へ動き出したこの機を逃したら、旧市街地の活性化は二度とない」と危機感を募らせる。
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「完全に中止したい。採算性がなく、町全体の景観モデルにも合わない」。8日に初登庁した竹山修身・堺市長は就任会見で、南海高野線堺東駅―南海本線堺駅に新設予定だったLRTの中止を明言した。沿線住民から「車道がふさがれ、商売の邪魔になる」「バスで十分」など反対が根強く、「住民合意がない」ことも理由に挙げる。臨海部までの延伸計画についても費用対効果を調べ判断する。