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「百年に一度の危機」なのか
小池 俊二さん
サンリット産業会長、前大阪商工会議所副会頭
委員に就任してあっという間に1年が過ぎ去ってしまった。日本や世界で政治経済の変化が余りにも速かったからだと思っている。
そういえば、1年前、石油や殻物などの資源の国際価格の上下変動は想像を超えるものであった。米国や欧州の著名な金融機関が次から次へと事実上破綻し、自動車や家電などの製造業では大量の人員整理に踏み切り、株価暴落と失業者激増といった恐慌の始まりの1年でもあったと振り返ることができる。
ところで、阪神淡路大震災のような大きな自然災害のとき「百年に一度の災害」といわれるが、今回のような金融危機についても同じように「百年に一度の危機」といった言葉を枕詞のように政治家も経済人も頻繁に使う。言葉に厳格なはずのマスコミも例外ではない。今回の金融危機にかかわったグリーンスパン元FRB議長の言葉が一人歩きしているとも考えられる。今回の米国発の世界的金融危機は投機的金融資本の意図的な投機活動の帰結であるが、制御不能な自然現象にすり替え、「百年に一度」という。今回の危機の本質を放置すれば「百年に何度」でも同じような危機が訪れるのではないかと思う。
昨今、米国保険会社大手のAIGが16兆円の膨大な公的資金を受けることになった。その会社が専門的知識を持つ400名の幹部社員が外部に流出しないよう足止めするため、209億円もの巨額ボーナスを支払ったことで米国民の顰蹙を買っている事実をどう考えるか。長年に亘って高いリスクの金融派生商品と過剰な報酬を容認してきた市場原理主義的投機活動の根は深く、米国型経営責任とは何かを改めて考えさせられる。 (こいけ・しゅんじ)
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