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2007年08月01日
ジャン:テレビのニュースを見てたら「一ドルが120円から121円になって、前より円安になりました」と言っていたよ。
ケン:1円高くなっているから、円高じゃないの?
畑中記者:そう思っちゃうよね。でも円安でいいんだ。
ポン:何か変な感じがするなあ。
ケン:では、円安、円高ってどんなことなのかいっしょに考えてみよう。
●円の価値が外貨に対し上がり下がりすること
◆100円で買えていた商品に120円出すようになる円安
畑中記者:例えば一ドルのハンバーガーを考えてみてね。1ドルが100円だったら、このハンバーガーは百円で買える。でも、1ドルが120円になったらどうなるかな。前まではお店で100円を出せば買えたのに、今度は20円もよけいにはらわなくちゃ買えない。これは円の値打ちが下がったということ。だから「円安」って言うんだ。
ジャン:お金の値打ちで考えるんだ。
畑中記者:そう。1ドルが100円から80円になると、1ドルのハンバーガーは前より20円安く買える。このときは、円の値打ちが上がったから、円高って言うんだよ。
ケン:じゃあ、円とかドルとかのお金の値段が、どうして上がったり下がったりするの?
畑中記者:分かりやすく言うと、人気のあるお金は高くなって、人気のないお金は安くなる。
ポン:お金の「人気」って何なの?
畑中記者:みんなはテレビのニュースで「外国為替市場」って聞いたことがあるかな。これは、外国のお金を両替するところで、お金が売り買いされている。この市場は野菜や魚があるところとちがい、コンピューター同士でつながれていて、お金がいろんな商品と同じように売ったり買ったりされているんだ。
ケン:そこで人気があると、円高になるの?
畑中記者:そう。みんなが日本の円を買えば、円の人気がますます上がって円高になるし、円の人気が下がると円安になる。デパートやスーパーの商品も同じでしょ。今は円の人気が下がって円を売る人が多いから、円安ってわけだ。
ジャン:円安だとどうなるの?
畑中記者:わたしたちの身の回りの暮らしでも、変化が出てくるよ。今は、デパートでワインとかチーズが高くなっている。これらは主に、フランスとかイタリアなどヨーロッパから輸入されているよね。最近、円は「ユーロ」というヨーロッパのお金に対して、とても安くなったんだ。
日本の会社がワインやチーズを輸入するときには、円の値打ちが下がっているから前よりたくさんお金をはらわなくちゃいけない。だから、お店にならべるときも値上げされる。海外に旅行に行く人も、ホテルの宿泊代やおみやげ代に前より多く支はらわなければならない。
ケン:何かいいことはないの?
畑中記者:海外からみると、日本から輸入される製品はこれまでより安く買えることになる。車とかテレビとか、海外に製品を輸出している日本の会社にとっては、たくさん買ってもらえるチャンスが増える。
だから、今は売り上げ成績のいい会社が多いでしょ。円高だと逆に売れない心配が出てくる。会社は為替市場の動きに敏感なんだ。
◆外国にくらべ低い「金利」、円の人気を下げる原因に
ジャン:なんで今は円安なの?
畑中記者:とてもむずかしい質問だね。ひとことでいうと、日本と外国の「金利」に大きな差があるからだって言われているんだ。
ポン:金利って、何のこと?
畑中記者:金利というのは、企業や個人がお金を貸し借りするときの使用料のこと。つまりお金のレンタル料だ。例えばビデオをレンタルする場合も同じだけど、だれでもレンタル料が低いところから借りたい。今、日本では金利、つまりレンタル料が安いから、みんな日本の円でお金を借りて、ドルとか外国のお金に替えている。そうすると、日本の円はどんどん人気が下がっていくよね。だから、円安が進んでいるんだ。
ジャン:円安はいつまで続くの?
畑中記者:経済の専門家でも悩むところだ。今はまだ、日本と外国の金利の差はとても大きい。だから円を売る流れはそう簡単には止まらない、という予測が多い。
一番元になる金利を決める日本銀行も、こんなに円が安くなっていることには注意している。日本と外国の金利差が縮まるかどうかも、円安の行方をみる大きなポイントになりそうだ。
●きょうのポイント
▽アメリカの「ドル」やヨーロッパの「ユーロ」などに対して、円の価値が下がるのが円安、上がるのが円高。1ドル=100円と1ドル=120円では、前者の方が円高になる。
▽円安になると、輸入品の値段が上がったり、海外の旅行先で支はらう金額が増えたりする。一方で日本の会社は輸出が増えて景気がよくなる。円高になると、逆のことが起きる。
▽今は円安。お金を貸し借りするときの金利が、日本は外国に比べて低いのが原因と言われている。
記者:畑中 徹記(朝日新聞経済グループ)
提供:朝日学生新聞社