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2007年11月07日

ケン:最近ニュースで、公園のブランコやジャングルジムなんかの事故をよく聞くね。
ポン:ぼくも、公園で遊ぶからこわいな。どれぐらい起きてるの。
佐藤記者:ブランコやすべり台、ジャングルジムなどを「遊具」っていうんだけど、公園を管理する国土交通省(国交省)に聞くと、遊具の事故は、今年の四〜九月で十五件だった。例年のペースを大きく上回っているんだ。小学校や幼稚園でも、四件事故が起きている。
ジャン:実際には、どんな事故が起きているの。
●古くなったのに十分な点検できないのが原因
◆お金や人手が足りないんだ 報告ある件数はほんの一部
佐藤記者:今年4月に岐阜県大垣市の小学校で起きた事故を説明しよう。校庭には、2本の木の柱が立っていて、その間をロープでつないだ遊具があった。ところが、その木の柱がくさって折れ、ロープにぶらさがっていた小学生13人が、落ちてけがをしたんだ。
ポン:ほかにはどんな事故があったの。
佐藤記者:6月には滋賀県甲賀市の公園で、回転式の遊具の支柱に開いた穴に、11歳の男の子が指を入れてけがをした。安全のために固定したけど、だれかが外してしまい、事故が起きた。
大阪市では、今年6月と9月に、ブランコの鎖がはずれる事故が相次いだ。上の支柱と鎖をつなぐ鉄の金具が、まさつでだんだんすり減って、外れてしまったらしい。腕を骨折したり、指を切断したりする事故もあった。
ジャン:ずい分たくさんあるのね。
佐藤記者:実は、さっきあげた事故の件数は、氷山の一角で、実際にはもっとありそうなんだ。国交省が2004年度分の事故をもう1回調べたら、それまでの報告件数の10倍以上にあたる約160件あった。事故が起きても、市や町が知らなかったり、ちゃんと報告をしていなかったりということだよ。ケン:公園の遊具って、しっかりつくってあるんでしょ。それだけ事故が起きる理由は何なの。
佐藤記者:一つは、設置してから20年も30年もたち、遊具が古くなってきたことだよ。当然、木であればくさってくるし、金属であればさびてくる。しかも、それを市や町の職員が、しっかり点検していないから、気づかないんだ。
ジャン:なぜ、しっかり点検しないの。
佐藤記者:要は、お金と人手だよ。ほとんどの市や町は予算が足りず、遊具の点検に十分なお金や人手をかけられないんだ。公園の数も多いので、職員が全部回って、一つ一つを点検するのは、難しい。
大垣の小学校のケースは、市が専門業者に点検をたのんでいたんだけど、支柱は重なったタイヤにおおわれていて、中がくさっているのを業者が見ぬけなかった。契約金額がとても安く、タイヤを持ち上げたりといったくわしい検査をする費用がなかったみたいだ。
◆国と業者、安全対策を見直し 保護者が見回る地域もあるよ
ケン:これだけいろんな事故が起きているのに、国や遊具をつくる会社は、何も対策をとっていないの。
佐藤記者:さすがに、とっているよ。国交省は02年、公園の遊具の安全確保の指針をつくった。それを受けて、遊具メーカーでつくる協会が安全に関する基準をつくった。遊具の高さやすき間などについて安全基準を示した。
ポン:でも、事故は減ってないんだよね。
佐藤記者:だから今、国交省と協会は、指針と基準の見直し作業をしている。点検のやり方を具体的に示し、落下事故対策として床にゴムの素材を採用することなどを考えている。
でも、国や市だけに任せていては限界がある。任せてはおけないと、お母さんたちの自主的な見回り活動なども始まっているよ。
ケン:ぼくらが公園で遊ぶとき、どんなことに注意したらいいの。
佐藤記者:すべり台やブランコなどの床部分にコンクリートがむき出しになっていると、落ちたとき危ない。また、ジャングルジムやうんていなどは、腰は通りぬけるけど頭がひっかかるようなすき間があると、危険だ。フードのついた服や、携帯電話のストラップなども、遊具のネジに引っかかり首がしまることがあるので、遊ぶときはなるべく身につけない方がいいよ。
でも、まずは市や町がちゃんと点検してほしいね。
●きょうのポイント
▽公園や学校などの遊具の事故が増えている。支柱が折れて遊んでいた子が落ちたり、回転式遊具の支柱の穴に指がはまったり、ブランコの鎖がはずれたりした。
▽遊具が古くなってさびたりくさったり、市や町などのお金と人手が足りず、十分な点検ができていなかったり、というのが主な原因。
▽国土交通省と、遊具メーカーでつくる協会は、点検のやり方を決めたり、より安全な作りを考えたりと、安全の指針の見直しをしている。お母さんらが自主的な見回りをするところもある。
佐藤陽記者(朝日新聞生活グループ)
提供:朝日学生新聞社