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法案の再議決って何?

2007年12月12日

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衆院のテロ対策特別委員会で、補給支援特措法案に、賛成して起立する与党の委員(左)と、続けて話し合うよう求める野党の議員(右)。この翌日に、衆院本会議で法案は可決されました=11月12日、国会内で
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補給活動を終えてもどってきた自衛隊の船。活動を再開するための法案がいま、国会で話し合われています=11月22日、長崎県佐世保市で

ケン:「国会で再議決するかも」ってニュースで聞いたよ。再議決って何? 

ジャン:ちがうよ。「国会で」じゃなくて、「衆議院で」っていってた。

池田記者:ずいぶん難しいことを知ってるね。ちょうどいい機会だから、今日は再議決のことをふくめて、国会のことを考えてみようか。

●参院で否決された法案を衆院で再び採決すること

◆3分の2以上の賛成で成立する 意見がちがうと衆院が優位に

池田記者:国会には衆議院(衆院)と参議院(参院)がある。

 法律や予算の案、「外国とこんな条約を結びたいので認めてほしい」という条約の批准承認案などが出されると、衆院と参院が、それぞれ話し合ってどうするか考える。これを「二院制」と呼ぶよ。

ポン:同じことを2回話し合うの?

池田記者:そう。大事なことだから、念には念を入れてまちがいのないようにしようという工夫だね。普通、法律などは衆・参の2つの院が両方とも可決したときに成立するんだ。

ケン:2つの院で意見がちがったら?

池田記者:意見がちがったときの決め方が定められている。

 例えば、二つの院が別の人を首相(総理大臣)にしたいと思い、だれにも決められずに首相がいなくなったら困るよね。だから、首相については、最終的には衆院の選んだ人がなるルールなんだ。この九月も、衆院が自民党の福田康夫総裁を、参院が民主党の小沢一郎代表を選び、福田さんが首相になった。

ジャン:そういうルールがあるのは、首相選びだけなの?

池田記者:予算案や条約の批准承認案も、最終的には衆院の決定が国会の決定になる。「衆院の優越」と呼ぶんだよ。

ケン:普通の法案はどうなるの?

池田記者:ここでも衆院が優越する。衆院が可決した法案を参院が否決した場合、もう一度衆院で採決し、3分の2以上が賛成すれば成立する。これが「再議決」。

 予算や条約の場合は再議決の必要はない。予算などが成立しないと本当に困るけれど、法案は成立しないとすぐ困るものばかりじゃない。だから、優越の度合いが少し低いんだね。

◆補給支援特別措置法案を検討 1月12日以降になると再議決

ジャン:いま再議決が注目されているのはどうして。

池田記者:今年7月の参院選挙で自民党が負けて、参院では、政権をとっていない民主党などの野党が過半数を占めたからだ。このため、衆院と参院の意見が食いちがうことが増えた。衆院では与党(いま政権をとってる自民党と公明党)が3分の2をこえているから、「意見が食いちがうなら、衆院で再議決しよう」という声が出てきた。

ケン:どんな法案を再議決するの?

池田記者:いま、再議決が検討されているのは、補給支援特別措置法案だ。日本の自衛隊がインド洋で、外国の艦船に燃料や水などを補給していたのは知っているかな。定められていた活動の期限(11月1日)が過ぎ、自衛隊の船が日本に帰ってきたんだけれど、この活動を再開させるための法案なんだ。福田首相と政府は、とても重要な法案だと考えている。

ジャン:再議決するとしたら、いつ?

池田記者:まだ、はっきりしない。いつ、参院が否決するかわからないからだ。

ポン:ずっと否決しなかったら? 

池田記者:衆院が可決した法案が参院に送られたあと、60日間議決しなければ、参院が否決したとみなして、衆院は再議決できる。これを「みなし否決」と呼ぶんだ。来年1月12日以降になれば、このルールを使える。

ジャン:再議決ってよくあるの。 

池田記者:とてもめずらしい。参院が否決した法案をそのまま衆院が再議決したのは、1951年に一度あっただけ。みなし否決の末、そのまま再議決したのも52年に一度だけだ。

 ルール上はできても、実際にやれば「参院が反対したのに、衆院だけで決めるのは乱暴だ」という声が出るだろう。それ以降、国会の審議が進まなくなる心配があるので、政府・与党内にも再議決をためらう人がいる。

●きょうのポイント

 ▽法案などは普通、衆議院(衆院)、参議院(参院)でそれぞれ話し合い、両方で可決した場合に成立する。しかし、2つの院で意見がちがった場合、衆院の考えが重視される。これを「衆院の優越」と呼ぶ。

 ▽首相の指名、予算案、条約の批准承認案は、衆院の決定が国会の決定になる。それ以外の法案が参院で否決されても、衆院でもう一度3分の2以上の賛成が得られれば、成立する。これを「再議決」という。

 ▽補給支援特別措置法案は、与党の多い衆院では可決されたが、野党の多い参院では可決が難しい。来年1月12日より前に議決をしなければ参院の「みなし否決」となり、再議決が可能になる。

記者:池田伸壹(朝日新聞政治グループ)

提供:朝日学生新聞社

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