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2008年02月27日



ジャン:沖縄にいるアメリカ軍の兵士が事件を起こしたと、ニュースで伝えられているけど。
樫本記者:日本各地にいるアメリカ軍のことを「在日米軍」というんだ。沖縄にある在日米軍基地の海兵隊員が、沖縄の中学生の女の子を傷つけたんだ。
ポン:何で日本にアメリカの兵隊さんがいるの?
樫本記者:不思議に思うよね。今日はそのことについて話そう。
●日本を守る…かわりに日本が基地を用意
◆「軍隊」を持たない日本:東西冷戦の影響を心配
ジャン:在日米軍基地はどこにあって、どれだけの人がいるの。
樫本記者:北海道千歳市から沖縄県石垣市まで85施設で、面積では300平方キロ以上あるんだ(2007年1月現在)。面積でいうと一番大きいのは沖縄県で、神奈川県綾瀬市や横須賀市、山口県岩国市や長崎県佐世保市などにもある。在日米軍の司令部によると、地上にいるアメリカ兵は、約3万7000人になるんだ。
ポン:いつからいるようになったの?
樫本記者:日本は、第二次世界大戦でアメリカや中国などの連合国と戦って、1945年に負けた。しばらくアメリカに占領されたが、51年に、独立を取りもどす条約を結んだ。このときにアメリカとは「旧日米安全保障条約」(60年に改定)も結んだ。アメリカは軍隊を出して日本を守るから、日本は国内に米軍基地を用意するという約束をしたんだ。
ジャン:なぜ、そう約束したの。
樫本記者:日本は戦争が終わったあと「戦争を永久に放棄する」ことを定めた憲法をつくり、「軍隊」は持たないことに決めたんだ。一方で戦後、自由主義のアメリカなどの国と、共産主義をとる旧ソ連や中国などの国が、考え方で対立する「東西冷戦」が強まった。
50年には朝鮮戦争が起こり、東西冷戦の影響で、朝鮮半島は自由主義の韓国、共産主義の北朝鮮に分かれてしまった。アメリカは、日本も共産主義の国になってしまうのではと心配して、米軍を残す約束をしたんだ。
◆基地で働く人の給料や周辺への迷惑料も負担
ケン:でも日本を守るのは自衛隊じゃないの?
樫本記者:自衛隊は朝鮮戦争後の54年、自分の国は自分で守るべきだという声が出て、生まれた。
東西冷戦は91年に旧ソ連がなくなって終わった。でも、2001年にアメリカで起きた9・11テロや、北朝鮮のミサイル発射実験のように、世界や日本の平和をゆるがす新たな問題が起きている。在日米軍と自衛隊が協力して、こういう問題を防ぐよう取り組んでいるよ。
ジャン:在日米軍へのお金は日本が出しているの?
樫本記者:基地の場所や建物を提供しているし、基地の周辺の市町村に対する迷惑料なども出している。このほかにも「思いやり予算」というんだけど、基地で働いている日本人の従業員の給料や、アメリカ兵の住む場所を建てるお金もはらっているよ。この予算は2008年度で2080億円だね。
ケン:今回の事件みたいに、アメリカ兵の起こす事件や事故は多いの?
樫本記者:在日米軍の中で兵隊への教育は進められているんだけど、なくならないのも確かだね。沖縄では95年にも同じような事件があって、在日米軍への反発が強まっていた。
沖縄は戦争中、地上で戦いがあったところで、多くの住民が犠牲になった。だから、沖縄の人はもともと「軍隊」に反対する気持ちを持っている。
そこでくり返されたアメリカ兵の事件だけに、アメリカも日本も、きちんと考えなければいけない問題だ。
一方で基地のある町の人にとって、在日米軍は「お客さん」の面もある。米軍に土地を貸す代金や、アメリカ兵の買い物などでお金を得ているので、まったくいなくなると困る部分もsあるんだ。
ポン:在日米軍はこれからもずっといるの?
樫本記者:平和をおびやかす問題は、東西冷戦から別の問題に変わってきた。その中で、米軍は世界中で体制の見直しを進めていて、在日米軍も変わる。特に沖縄の負担を減らすために、在日米軍の海兵隊をアメリカのグアム島に移すなどの計画が進んでいる。
でも、山口県岩国市のように、部隊が移転してくる計画で負担が増える市町村もある。市町村の反対の声をよく聞かずに、政府が中心になって移転計画を進めていくことには批判の声もあるよ。
●きょうのポイント
▽日本にいるアメリカ軍のことを在日米軍という。沖縄や神奈川、山口など全国に85施設がある。
▽アメリカは軍隊を置いて日本を守るので、日本は国内に米軍基地を用意する、という約束が1951年に交わされた。日本は軍隊を持たないことを決めたが、東西冷戦の影響が日本におよぶのをアメリカが心配したため。
▽政府は在日米軍のさまざまな費用を負担している。アメリカ兵による事件や事故も後を絶たない。在日米軍の一部は国外へ移す計画が進むが、新たに負担の増える場所もある 。
記者:樫本淳(朝日新聞社会グループ)
提供:朝日学生新聞社