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バターが足りないよ

2008年6月11日

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空になったバターのコーナー=5月21日、群馬県のスーパーで

 ポン: お母さんと近所のスーパーへ買い物に行ったら、バターの売り場が空っぽになっていた!

 ケン: たまたま売り切れてたんでしょ。

 伊藤記者 いま、全国のたくさんのスーパーで、品切れになったり、「一人一個限り」で売ったりしているの。買おうとする人より、お店に並ぶ品物の数が少ない「品薄」が続いているのね。

 ジャン: でも、同じように牛のミルク(生乳)からつくる牛乳やチーズは、売ってたよ。どうしてバターだけ品薄なの?

●外国産値上げで国産うばい合い

◆お店が家庭用まとめ買いも

◆国産も少子化のため生産減

◆急に牛を増やせず品薄続く

 伊藤記者: バターが売り場に並ばないスーパーが出てきたのは2007年11月ごろから。だけど、実はその少し前から、バターを毎日、たくさん使うお菓子屋さんやパン屋さん向けの仕事用バターが不足し始めたの。困ったお店が、スーパーへ行って家庭用バターをまとめ買いするようになって、急に数が減ったのね。

 ケン: 仕事用が先に不足したのは、なぜ?

 伊藤記者: 大きなお菓子メーカーは、これまで外国でつくるバターを原料にしたパイ生地などを輸入していたんだけど、国産のバターを使って国内でつくる方式に切りかえ始めたからよ。輸入したほうが安いと思っていたのに、急に値段が高くなったから、国産バターに急に人気が集まったのね。

 ジャン: どうして外国のバターは高くなったの。

 伊藤記者: いろいろ原因はあるけど、中国など新興国で乳製品を食べる人が増えてきた。でも、干ばつやえさ代の値上がりなどでバターの生産が追いつかないから、世界で取引されるバターの価格が上がっているの。

 ポン: だから、予定通りに買えなくなったパン屋さんたちが、スーパーに来るようになったんだ。

 伊藤記者: でも、難しいのは、バターも原料の生乳も、つくる量を急には増やせないことね。日本では子どもの数が減って、牛乳を飲む量も少なくなったから、 06〜07年の2年間は、牛の数を減らして生乳があまらないように調整してきたのよ。新しく子牛を育てて乳をしぼるには2年以上かかるので、急には増やせない。それに、くさりやすい牛乳や生クリームを優先的につくるから、保存がきくバターの生産は後回しなの。

 ポン: バターもたくさん生産できるように、もっとがんばれないのかな。

 伊藤記者: バター向けの生乳の8割をつくる北海道では、5月の生乳生産量が前の年より3.4%も増えたわ。チーズに使う予定だった生乳の一部をバター用に回して、大きな乳業メーカー4社は5月に去年の販売量の2割近くを増産したの。

 ジャン: でも、まだ品薄だよ。六月はどうなるの。

 伊藤記者: 4社は6〜8月の3か月も、家庭用と仕事用のバターを続けて増産することを決めたところよ。だけど、夏から先はクリスマスに向けて、お菓子屋さんたちがたくさんバターを使う時期に入るから、だいじょうぶかどうかは、まだわからないのよ。

 ケン: 外国からもっと安く買えないの?

 伊藤記者: バターを輸入するとき、ふつうは日本の酪農家を守るために、「関税」という高いお金を国にはらわなくてはいけない。それに、世界中で乳製品を買いたい人が増えているので、なかなか手に入りにくいわね。

 ポン: ほかの乳製品は、足りなくならないの。

 伊藤記者: 酪農家は去年よりたくさん生乳をつくろうと努力しているの。だけど、どんどん価格が上がるえさの量を節約のため減らしたり、猛暑で牛がつかれたりすると、生乳の生産量が計画通りに増やせない場合もある。そうなると、飲む牛乳も夏以降に品薄になる地域も出てくるかもしれない。バターも牛乳も4月以降に値上がりしたけれど、さらに値段が上がる可能性も、あるかもしれないわね。

●きょうのポイント

 ▽2007年11月ごろから、スーパーの売り場からバターが消えるようになった。

 ▽中国などで使う量が増え、えさ代も上がったため国際的にバターが値上がりした。そのため国産のバターを買いたい企業などが増えて、スーパーでも不足するようになった。

 ▽原料の生乳の生産は少子化でおさえられてきたし、輸入も高関税の壁があるので、簡単には増やせない。

記者:伊藤裕香子(朝日新聞産業・金融グループ)

提供:朝日学生新聞社

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