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メラミンってどんなもの?

2008年10月8日

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メラミン問題を受け、加工食品の生産地を調べる京都市の職員

 ジャン:体に悪いものを混ぜた中国産の牛乳が、問題になっているわね。

 ケン:知らずに材料に使った菓子パンなどが、日本でも見つかったって聞いたよ。こわいなあ……。

 菅野先生:メラミンという、みんなにも身近な物質が、悪い使われ方をしたんだね。

 ポン:メラミンって、どんなもの?

●中国の牛乳に混ぜられた化学物質

◆食器の素材としては問題なし

◆水増し牛乳を良く見せかける

◆赤ちゃんが毎日飲むと危ない

 菅野先生:メラミンは工業用の化学物質で、「メラミン樹脂」の材料。メラミン樹脂は、とても便利な素材なんだよ。水にも熱にも強くて、じょうぶなものを、好きな形に作れる。食器などとして広く使われている。

 ポン:毒なのに!?

 菅野先生:ちょっと待ってね。メラミン樹脂は大丈夫。食器からとけ出るメラミンの量は、検査の機械でも測れないくらい、わずかだから、健康にはまったく問題ないよ。樹脂になる前と後では、別の物と思ってね。

 ポン:じゃあ、メラミンは毒なの?

 菅野先生:実験動物にわたしたちの身代わりになってもらって調べるんだけど、メラミンはかなりたくさん食べないと具合が悪くならないので、毒性は弱い方なんだ。だけど、食べ物じゃない。

 ケン:そのメラミンを、なぜ牛乳に混ぜたの?

 菅野先生:牛乳の品質を検査するとき、たんぱく質の量を目安にしているんだね。たんぱく質は「アミノ酸」からできているけれど、その量を測るのは、とても手間がかかる。そこで、酸などの薬品で食べ物を分解し、アミノ酸から出てくる「窒素」の量を調べるんだ。これだと、簡単にたんぱく質の量を割り出せる。

 ポン:だから?

 菅野先生:メラミンは、窒素をたくさんふくんでいる。水でうすめて量を増やした牛乳に、メラミンの粉を混ぜると、たんぱく質をたっぷりふくんだ「いい牛乳」のように、見せかけることができちゃう。とても悪質な食品偽装なんだ。

 ジャン:中国では、メラミン入りの粉ミルクで病気になり、亡くなった赤ちゃんもいるんでしょ。

 菅野先生:メラミンの毒性は弱いけれど、ミルクが主食の赤ちゃんが毎日飲まされたら、とても危険だ。

 ポン:どんなふうに?

 菅野先生:体にとりこまれたメラミンは、「腎臓」という臓器でおしっこの中に捨てられるけれど、おしっこを濃縮する細い管(尿細管)の中で砂粒のような結石をつくることがある。結石は腎臓の機能をそこなったりして、命にかかわる。

 ケン:どれくらいの量をとると、危ないの?

 菅野先生:毒性研究の結果から、一生とり続けても大丈夫な量として決めるんだけれど、アメリカでは、1日に体重1キロあたり0.63ミリグラム、ヨーロッパの機関も、関連物質もふくめて体重1キロあたり0.5ミリグラムという、とりあえずの基準をつくっている。

 ジャン:日本は?

 菅野先生:40年くらい前に、日本でもメラミンの「親類」のアンメリンという物質を家畜のえさに混ぜる偽装があった。でも、まさか人が口にする食品にメラミンが混ぜられるなんて考えてもいなかったのだろう。国内に安全基準はないんだ。

 ポン:心配だよ!

 菅野先生: メラミンの安全基準づくりや、ごまかしのきかないたんぱく質の検査方法を考えることが、日本でも必要かもしれないね。

●きょうのポイント

 ▽中国で牛乳にメラミンが混ぜられ、それを材料にした食品が日本などにも輸入されて、不安が広がっている。水増しした牛乳の品質をよく見せかける方法として、メラミンが入れられた。

 ▽メラミンを材料につくられるメラミン樹脂は、食器などに加工されて、とても身近なもの。でも、メラミンは、メラミン樹脂とは別物で、たくさん体にとりこむと命にもかかわる。

 ▽安全の基準や、ごまかされない検査方法を考えることが、これからの課題。

菅野純先生(国立医薬品食品衛生研究所・毒性部部長 毒性学者)

    ◇

【メラミン事件】

 中国の会社がつくった粉ミルクで、数万人の赤ちゃんが体をこわし、死んだ赤ちゃんもいる。つくった粉ミルクなどからメラミンが検出された会社は、分かっているだけで20社をこえる。メラミン入り牛乳を材料にした食品は、中国から日本にも流通し、一部の製品からメラミンが、わずかながら検出されている。シンガポール、台湾などでは中国産牛乳や乳製品を輸入禁止に。ヨーロッパ連合(EU)も、子ども向けの中国製食品の輸入禁止を考えるなど、さわぎは世界に広がった。

提供:朝日学生新聞社

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