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2008年10月22日
田多さん:数が減っている生き物たちの「名簿」のようなもの、なんだ?
ケン:ええと……レッドリストだね?
田多さん:正解。そのレッドリストの世界版が見直されて、新しく発表されたよ。
ジャン:少しは、生き物がすみやすい地球になったのかしら?
田多さん:残念だけれど、絶滅が心配される生き物は分かっているだけで、1万6928種に増えたの。
●絶滅が心配な動植物の一覧表
◆IUCNが10月に最新版発表
◆前回より622種増え1万6928種
◆温暖化や生息地の破壊が影響
ポン:レッドリストのことを、くわしく教えて。
田多さん:80か国以上の国々の政府機関や、わたしたちのような民間団体、それに160以上の国々の科学者らが協力している「国際自然保護連合」(IUCN)という機関があるの。そのIUCNが、レッドリストをまとめているよ。
ケン:つくる目的は?
田多さん:絶滅が心配される動物や植物にはどんな種類があるか、絶滅の危険度はどのくらいかなどを科学的な調査をもとに知らせることで、保護の対策に役立ててもらうためよ。10月の上〜中旬にスペインで開かれたIUCNの世界大会で、最新版が発表されたの。
ポン:結果は?
田多さん:絶滅が心配される種、つまり「絶滅危惧種」とされたのは1万6928種。見直しの前より、622種増えてしまったの。
ケン:数字が大きすぎて、あまりピンとこないな。
田多さん:哺乳類の四種に一種、鳥類の8種に1種、両生類は3種に1種が、絶滅のピンチにあるんだ。植物も深刻で、針葉樹の四種に一種があぶないんだって。
ポン:なぜ、そんなことに?
田多さん:開発ですみかが減ったり、温暖化や環境汚染の影響を受けたり、肉や毛皮をとったり、ペットにするために捕まえられたり……。
ケン:あれ、みんな人に関係がある!
田多さん:よく気がついたね。原因のほとんどに、人がかかわっているんだ。今回、魚類では161種のハタの仲間が調査に加えられたけれど、そのうちの20種が絶滅危惧種に分類されたの。中国など経済発展が進む国で食生活が豊かになって、「高級魚」としてハタ類がたくさん食べられるようになった影響も大きいらしい。
ジャン:本当に絶滅してしまう生き物もいるんでしょ?
田多さん:うん。名も知られていないような微生物などもふくめて、いま、20分に一種のペースで地球上からいなくなっているともいわれるよ。
ポン:そんなに! 生き物が絶滅すると、ぼくたちも困るんだよね。
田多さん:そうよ。食べることはもちろん、住まいや着る物など、わたしたちの暮らしは自然のめぐみの上に成り立っている。それに、生き物たちはたがいに、食べたり食べられたり、助け合ったりといったつながりの中で生きている。
ジャン:その、生き物たちのつながり合いが、こわれていっているのね。
田多さん:そう。地球の生態系を大きな飛行機にたとえると、その小さな部品が一つひとつぬけ落ちているのと同じこと。どんな影響が出てくるか、とても心配ね。
ケン:ぼくたちは、どうしたらいいの?
田多さん:レッドリストは、日本の環境省もつくっているし、都道府県ごとの地域版もあるよ。まず、身近な自然を知ることから、自分たちに何ができるかを考えていったらどうかな。
●きょうのポイント
▽絶滅が心配される動物や植物をまとめた一覧表が「レッドリスト」。その世界版を国際自然保護連合(IUCN)がまとめている。保護対策に役立てるのが目的。
▽10月に最新版が発表され、1万6928種の動物や植物が絶滅危惧種に分類された。見直しの前より、622種増えてしまった。
▽いま、20分に1種ともいわれるペースで絶滅が進んでいる。地球の生態系や、わたしたちにおよぼす影響が心配。
田多浩美さん(国際環境NGO/コンサベーション・インターナショナル日本プログラム)
提供:朝日学生新聞社