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2008年12月3日

ジャン:国が、みんなにお金をくれるって聞いたよ。本当?
今村記者:今村記者 定額給付金のことだね。国民1人あたり1万2000円を配る計画なんだ。18歳以下の子どもと65歳以上のお年寄りの場合は8000円上乗せして2万円にする。合計すると、2兆円くらいになるんだ。
ポン:どんなおもちゃを買おうかな。
●景気回復をねらって国が国民に配る
◆1人あたり1万2000円、計2兆円
◆買い物してお金が動くのを期待
◆効果があるかどうか分からない
―― 残念だけど、みんなの分もあわせて「世帯主」っていう家族の代表が受け取る仕組みなんだ。たいてい、お父さんかお母さんだね。だから、みんなのおこづかいになるかどうかは分からないな。
加瀬先生:お金持ちはもらえないと聞いたよ。
―― そういう地域もあるかもしれない。麻生首相は最初、全員に配ると言ったけれど、暮らしに困っていない人にまで配るべきじゃないという意見が出て、一度はそちらにかたむいた。でも、どれくらいかせいでいるのか調べるのは大変だし、時間もかかる。結局、国としてはお金持ちに配るかどうかをはっきりと決めずに、まずはみんなに口座振り込みで配ることを基本とし、市区町村の判断でお金持ちに辞退を呼びかけたり、返還を求めたりもできるという考えをしめした。
ジャン:ぼくのおうちはお金持ちなの?
――どうかなあ。今回の定額給付金について、国は「もしお金持ちを除いて配るなら、1年の所得(収入から、必要経費などを除いた額)が1800万円以上の人を除いてはどうか」という目安をしめした。サラリーマンだと年に2074万円くらいの収入がある人だけど、それだけかせぐ人はあまりいないよ。
ケン:どうしてお金を配ることにしたの。
―― いま世界中で景気が悪くなっているからだ。お金を受け取った人が買い物をすれば、売った店や、品物をつくった会社がもうかる。すると、少しはお金が動いて景気が良くなる。景気を良くすることと、暮らしに困っている人を助けることがねらいなんだ。
ジャン:じゃあ、国は良いことをしているんだね。
――難しい質問だな。国は本来、みんなが納める税金を使ってサービスを提供する。ところがいまは税金だけでは足りず、毎年借金をしてしのいでいるんだ。借金の残高は今年度末に553兆円になる見こみだよ。今度配る2兆円は、借金の返済にあてる予定だったお金なんだ。借金はいずれ返さなければならないから、みんなのような将来をになう世代にツケを回すことになるかもしれない。ただ、これで景気が良くなれば入ってくる税金も増えるから、ツケ回しにはならないという人もいる。
ケン:景気は良くなる?
――多少の効果はあるだろう。問題はかけたお金に見合う効果があるかどうかだ。実は以前、似たようなことをした例がある。1999年に、子どもがいる世帯やお年寄りを対象に、1人あたり2万円分、「地域振興券」という商品券を配った。お金を配っても貯金されると景気は良くならないから、半年以内に使わないといけない商品券を配ったんだ。それでも、かけたお金のわりには効果が小さかったという指摘がある。今回のやり方だと貯金する人もいるから、効果はもっと小さいかもしれない。
ジャン:ところで、いつもらえるんだっけ。
――政府は、来年3月末までに手続きを始められるように、給付に必要な予算案や法案を来年1月に始まる通常国会に提出する考えだ。野党は反対する見通しだから、3月末までに成立させられるかどうかは、まだ分からない。今村尚徳記者(朝日新聞政治グループ)
●きょうのポイント
▽国が国民に「定額給付金」を配る計画を立てている。1人あたり1万2000円で、18歳以下の子どもと65歳以上のお年寄りには8000円上乗せして2万円にする。合計は2兆円くらい。
▽ねらいは、景気を良くすることと、暮らしに困っている人を助けること。配った給付金で買い物をしてもらい、お金が動けば景気回復につながる、という考え。
▽しかし、かけたお金に見合う効果があるかどうかは分からない。同じような目的で1999年に配られた「地域振興券」の効果は小さかったという見方もある。借金を返さず、ツケを将来に回すことになる、という声もある。
今村尚徳記者(朝日新聞政治グループ)
提供:朝日学生新聞社