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インド・ムンバイのテロ事件

2008年12月17日

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テロの犯人がたてこもっていたタージマハルホテルにインドの治安部隊がふみこみ、炎が上がりました=11月29日、インド・ムンバイで
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 ジャン:おそろしいテロ事件がインドであったね。

 望月記者:インド西部のムンバイで11月26日夜、ホテルや駅、レストランなど多くの人が集まる10か所近くが、ほぼ同時におそわれたんだ。外国人26人をふくむ 171人もの人々が亡くなり、294人がけがをした。日本の会社員、津田尚志さんも命を落とした。外国人をねらったという見方もあるよ。

 ケン:だれが、なんでそんなことをしたんだろう。

●商業都市に集まる外国人をねらう

◆武装集団がおそい死傷者465人

◆政府はパキスタンのテロ組織説

◆治安が悪く経済への影響が心配

 望月記者:ムンバイは、アラビア海に面し、貿易港として古くから栄えてきた都市。インドのビジネスの中心地なんだ。中央銀行や証券取引所もあり、最近のインドの経済成長をひっぱるエンジンともいわれる。

 海外の会社もたくさんある。日本の約120社も事務所を開いていて、日本人が数多く住んでいる。

 ジャン:外国人が大勢いる都市なのね。

 望月記者:犯行グループは世界中から人が集まるムンバイを選んだ可能性がある。そういう点では、世界のビジネスの中心地であるアメリカ・ニューヨークでおきた2001年の同時多発テロ事件と似ている。

 ケン:おそったのはだれなの。

 望月記者:インド政府は、となりの国パキスタンのイスラム教徒のグループ「ラシュカレトイバ」がやったといっている。

 ジャン:そうだとしたら、なんで、そんなことをしたんだろう。

 望月記者:アメリカの同時多発テロなど世界各地の事件にかかわる国際テロ組織「アルカイダ」が、「ラシュカレトイバ」をつかって、インドやパキスタンをふくむ地域全体を不安定にしようと考えた、という見方がある。パキスタンのとなりのアフガニスタンにかくれているアルカイダにとっては、アメリカなどから逃げ続けるには、地域でごたごたが続いた方が都合がよい、というわけだ。長い間けんかをしてきたインドとパキスタンは仲直りしようとしていたのに、この事件でまた関係が悪くなってきた。

 ジャン:別の見方をする人もいるの?

 望月記者:インド国内の宗教対立が原因という人もいる。インドでは国民の八割がヒンドゥー教徒。人数が少ないイスラム教徒には貧しい人が多く、経済成長のおかげでお金持ちが増えている一部のヒンドゥー教徒をにくむ人もいるようだ。

 ケン:この事件で、インドはどうなるんだろう。

 望月記者:治安が悪くなって、外国からの投資が減り、経済の状態が悪くなると心配されている。アメリカで始まった金融危機でアジア全体の景気が悪くなっている中で、大きな経済力を持つインドの成長がおそくなれば、ほかの国々にも大きな影響が出てくるだろうね。

 ポン:こんなことが二度と起きないようにするには、どうしたらいいのかな。

 望月記者:インドとパキスタンの関係がこのまま悪くなれば、それこそテロを起こしたというグループのねらい通りだ。両国は「テロとの戦い」で一致団結できるように話し合うべきだ。

 「テロとの戦い」は単に武力でテロ組織と戦うことじゃない。大切なのは、お金持ちと貧しい人の差など社会の不平等を小さくして、テロにつながる不満を減らすことだ。みんなが幸せに感じる世の中なら、テロをしようと思う人もいなくなるからね。

●きょうのポイント

 ▼インド西部のムンバイで11月26日、高級ホテルや鉄道の駅で同時多発テロ事件が起きた。外国人26人をふくむ171人が亡くなり、294人がけが。日本人1人も亡くなった。外国人をねらった可能性も。

 ▼犯行はとなりの国パキスタンのテロ組織が、地域の混乱をねらう国際テロ組織アルカイダの助けをえて行ったという見方がある。また、インド国内の宗教対立が原因という人もいる。

 ▼ムンバイはインドのビジネスの中心地で、外国企業の事務所も多い。事件によるインド経済の悪化が心配されている。

記者:望月洋嗣(朝日新聞外交・国際グループ)

提供:朝日学生新聞社

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