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なぜ失業する人が増えてるの

2008年12月24日

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契約を打ち切られた非正社員らが集会を開き、抗議の声を上げました=東京の日比谷公園で

 ケン:働いている人をやめさせる会社が増えているんだってね。

 澄川記者:うん。世界経済が急に悪くなって、輸出先の国や日本国内で製品が売れなくなっている。それで、給料をはらう従業員を減らして、利益を少しでも確保しようとしているんだ。

 ジャン:やめさせられるのは、おもにどんな人たちなの?

●景気が急に悪くなって会社が人減らし

◆正社員でない人たちにしわ寄せ

◆今年度中に3万人以上の見通し

◆海外の景気しだいでさらに悪く

 澄川記者:車や電気製品などをつくる工場で、組み立て作業をしている「派遣社員」や「期間従業員」といった人たちが、まずやめさせられている。たいてい定年まで勤める正社員に対し、半年や1年といった短期間の契約で働く人たちで、「非正社員」といわれる人たちなんだ。

 トヨタ自動車や日産自動車など大きな自動車会社が国内工場で減らす人数だけで、1万人以上。全産業を入れると、今年度中に約3万人以上の非正社員が今の仕事を失うという見通しもあるんだ。

 ポン:どんなふうに、やめさせられているの?

 澄川記者:非正社員の人たちは、半年とか1年といった契約期間をそれ以上のばしてもらえない「雇い止め」や、契約を途中で打ち切るといったやり方でやめさせられている。製造業の派遣社員は寮に入ることが多いのだけれど、契約を切られると、寮に住み続けることもできなくなる。

 ジャン:仕事も住まいも失うなんて、すごく困るでしょうね!

 ケン:パパの会社でも、非正社員の人が増えているって聞いたよ。なぜ?

 澄川記者:1990年代の初めに、それまでやたらによくなりすぎた景気が、一気にしぼんでしまう出来事があった。「バブル経済の崩壊」なんていうんだけれど、世の中はひどい不景気にみまわれた。会社は正社員を減らす一方、賃金の安い非正社員を入れて業績を上げようとしてきたんだ。

 ケン:そのころから、正社員じゃない人が増えていったんだね。

 澄川記者:うん。95年には約1千万人だった非正社員は、この十年余りで約1700万人に増えた。逆に正社員は約400万人減った。今や働く人の3分の1が非正社員だ。今回のように、景気が悪くなって真っ先に影響を受けたんだね。

 ジャン:正社員をやめさせる動きもあるんでしょ。

 澄川記者:そうなんだ。ソニーは全世界で16万人が働いている電機部門で、8千人を減らす。コンピューター会社の日本IBMでは、労働組合によると、1万6千人のうち、1千人ほどを減らす予定なんだ。ほかにも、来年の春に就職する予定だった大学生や高校生などで、会社から「あなたを雇いますよ」という約束(内定)を取り消される人が、少なくとも330人以上もいる。

 ケン:景気は、当分よくならないの?

 澄川記者:世界の経済が悪くなるきっかけをつくったアメリカ(米国)では、9月からの3か月間だけで、125万人以上が職を失うなど深刻なことになっている。ここ数年、日本の会社がもうかっていたのは、米国や中国などへの輸出が好調だったおかげなんだ。だから、海外の景気が一段と悪くなったら、日本への影響も避けられない。

 ポン:どうなっちゃうの?

 澄川記者:暮らしが立ち行かなくなれば、働く人たちはお金を節約するだろう。そうすると、物が売れなくなるなどして、ますます景気が悪くなるという、悪いことがぐるぐる回る悪循環が起きてくる。つぶれる会社が増え、仕事を失った人が街にあふれると、社会全体に不安が広がってしまうね。

 ジャン:国は、どんな対策をしているの?

 澄川記者:たとえば厚生労働省は、「雇い止め」で寮を追い出された人に住宅を紹介したり、生活費を貸し付けたりする相談窓口をつくった。自民党や公明党などの与党は3年間で2兆円規模の予算を確保して、140万人の仕事を守ったり、新しく職につけるようにしたりする考えだ。でも、予算の話し合いは年明けになり、すばやく効果的なことができるかどうかは、まだ分からない。

 ケン:会社ができることは、何かないの?

 澄川記者:雇っている人を減らせば、一時的には会社の業績が持ち直すなどの効果はあるだろう。会社がつぶれてしまっては元も子もないという現実もある。ただ、人減らしが進めば残った社員もやる気をなくすよね。まず、人をやめさせなくてもすむ努力をすることが会社の責任だと思うよ。

●きょうのポイント

 ▼景気が悪くなり、会社をやめさせられる人が増えている。

 ▼短期の契約でやとわれている派遣社員や期間従業員などの「非正社員」が中心。中には、正社員を減らす会社も出てきた。

 ▼多くの人が働く場を失えば、さらに景気が悪くなるおそれも。働き手を守る努力が会社に求められる。

記者:澄川卓也(朝日新聞産業・金融グループ)

提供:朝日学生新聞社

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