ここから本文エリア
2008年12月31日


2009年、日本や世界でどんなことが起きるでしょうか。政治、国際、スポーツ、科学の4つの分野について、朝日新聞の記者が2回にわたり解説します。1回目は、政治と国際です。
●政治――時期にらむ解散・総選挙 結果しだいで政権交代も
ジャン:政治ではどんなことが起きるの?
山浦記者:国会には衆議院と参議院がある。このうち、衆議院議員の任期は09年9月までだ。それまでに衆議院議員を選ぶ総選挙がある。
ケン:いつやるかは首相が決めるんだよね。
山浦記者:ふつうはそうだね。ただ、ちがう場合もあるよ。首相が衆議院議員全員をやめさせることを衆議院の解散という。総選挙は解散の後にやる方法と、任期切れに合わせてやる方法がある。
解散も2つのやり方があるんだ。一つ目は、衆議院が「いまの内閣には任せておけない」という内閣不信任決議をした場合、首相は10日以内に衆議院を解散するか、首相と大臣がやめる内閣総辞職をしなければならないと定めている。解散したら40日以内に総選挙をしなければならない。
ケン:でも、衆議院議員の半分以上は、首相の味方なんでしょ。
山浦記者:首相は国会が選ぶのだけれど、衆議院と参議院の意見がちがった時は衆議院の意見が優先される。だからふつうは衆議院の半分以上は首相を支える与党(いまは自民党と公明党)の議員で、不信任が決議されることはあまりない。ただ、首相の人気が落ちた場合など、与党議員でも不信任決議に賛成することもある。
ポン:もう一つのやり方は?
山浦記者:首相が与党に有利な時期を見計らって解散を行う。ほとんどの総選挙はこのパターンだ。
ジャン:有利な時を選べば与党が勝つんじゃない?
山浦記者:ただ、麻生首相の人気が下がっているから、有利な時期がやってくるかどうか。与党の中から「首相を代えた後に選挙をやろう」という声が出てくるかもしれないね。一方、首相の人気が下がって与党の足並みが乱れている時を見計らって、民主党が内閣不信任案を出すかもしれない。
ポン:大変そうだね。
山浦記者:大変だ。総選挙の結果によっては、いまの自民党と公明党の代わりに、民主党などが首相を出す「政権交代」が起きるかもしれない。だから、選挙の時期を決めるのも難しいんだ。
記者:山浦一人記者(政治グループ)
●国際――経済・対テロが米国の課題 カンボジアでは圧政を裁く
ジャン:海外ではどんなことがあるの?
貝瀬記者:2009年1月20日、アメリカ(米国)の大統領にオバマさんが就任する。米国の歴史上、初めてのアフリカ系(黒人)の大統領ということで、とても注目されているんだ。
ケン:課題は何かな。
貝瀬記者:一番大きいのは経済の問題かな。米国では銀行とか証券会社などの経営がおかしくなって、その影響で「ビッグ3」といわれる大きな自動車会社もつぶれるかもしれないと騒ぎになっている。仕事をなくした人もたくさんいるし、最初から難しい問題に取り組まなければならない。
ポン:ほかにも大きな問題があるの?
貝瀬記者:もう一つはテロとの戦いだ。米国はこれまでイラクで武装勢力と戦ってきたけれど、なかなか終わらせることができない。米軍がイラクから完全に出ていく約束になっている11年末までに、どう対応するかが問われている。
ジャン:アフガニスタンっていう国も大変だって聞いたけれど。
貝瀬記者:オバマさんはアフガニスタンでの反政府武装勢力との戦いを、これまでより強めると言っている。この国では09年中に大統領選挙も予定されている。いまの大統領は米国に協力的だけれど、だれが選ばれるかによっても状況は変わりそうだ。
ケン:ほかの地域ではどんなことがありそう?
貝瀬記者:東南アジアのカンボジアで、大きな裁判が始まる予定なんだ。この国では1970年代に政治をにぎっていた人たちが、極端な考え方にもとづいて約170万人もの国民を殺してしまった。その責任者たちをさばくんだ。この裁判には日本政府もたくさんお金を出している。
ポン:いろんなことがあるんだね。
貝瀬記者:このほかにも、パレスチナとの紛争が続くイスラエルで2月に総選挙があるし、核開発の問題をかかえているイランでは六月に大統領選挙がある。どちらの結果も、国際社会に大きな影響を与えそうだ。
記者:貝瀬秋彦デスク(外交・国際グループ)
提供:朝日学生新聞社