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廃貨車利用、「ダルマ駅」じわり人気

2007年06月20日

 北海道はダルマの産地――。と言っても、これは駅の話。廃車になった貨車を利用した駅舎を「ダルマ駅」と呼ぶ。道内ではJRのローカル線を中心におなじみだが、全国的にも静かな人気だという。地元の人がきれいに塗装したものや、ちょっと変わったデザインなど、愛らしい姿が話題を呼び、探訪記も登場している。

写真「虹と海」(根室線の別当賀駅) 7色の虹に青い海。地元の小学生が車両全体をキャンバスに見立てて描いた力作だ
写真「色競う」(根室線の尾幌駅) 車体にはきれいな絵。地元の人が育てるお花畑と色鮮やかな競演
写真「いたみ」(釧網線の南弟子屈駅) 設置から長年たち、塗装がはがれるなどいたみの見えるものも多い
写真「最東端」(根室線の花咲駅) 日本最東端のダルマ駅。側面には海から昇る朝日と花咲ガニのユーモラスな絵
写真「ふたご」(函館線の伊納駅) まったく同じ形のダルマが二つ。全国的にも珍しい双子駅

 車輪を外してとどまる姿がダルマを連想させることから、いつしか鉄道ファンがそう呼ぶようになったという。

 道内でダルマ駅が広まったのは国鉄民営化前後の80年代後半。貨物部門の合理化により、全国で多くの貨車が廃車になった。ちょうどそのころ、道内では無人駅などが老朽化で建て替えの時期。建て替え費用を浮かせるために、ダルマ駅が続々と誕生した。現在全国で50駅以上あるとされるが、7割は道内に集中するという。

 駅の管理はもちろんJR北海道の仕事だが、外装については市民がさまざまな形でかかわっている。地元の小学生が記念行事として思い思いの絵を描いたものや、観光PRのため付近の名所を描いたものなども。地元の人がボランティアで塗装や内部の清掃を手がけ、地域に愛されるダルマも数多い。

 大阪出身の医師で作家の笹田昌宏さん(35)=現在米国在住=は、ダルマ好きが高じて、全国探訪記「ダルマ駅へ行こう!」(小学館文庫)を先月刊行した。自分でも車両を購入し、居住用の「ダルマ別荘」を作る熱の入れようだ。

 そんな笹田さんにとって北海道は「聖地」という。著書では「そのユーモラスな姿にハートをとらえられた」と記す。道内に散らばるダルマをくまなく巡った。特に根室線や釧網線のダルマが好みだ。「地元の方々の手により外観の塗装が楽しいものに変わっていたりする点も魅力」と話す。

 設置から20年以上たち、老朽化で引退するダルマも出始めている。駅周辺に人が減り、整備の手が足りずに傷みが激しくなったものも多い。その誕生から劣化まで、ダルマの姿は地域の過疎化の縮図でもある。

 地元との協議で新しい建物にするケースもある。だが笹田さんはダルマのまま残すことに味があると考える。「ダルマは、後輩の現役車両を温かく見守るOBのような存在だ」。JR北海道も「なるべく現在のものを補修して使っていきたい」としている。

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