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一夜限り、名門キャバレー「未完成」復活

2007年09月21日

 繁華街の衰退とともに閉店した函館・大門のキャバレー「ナイト・パレス未完成」が23日、復活する。仕掛け人は解体業を手がける地元出身の女性。プロのジャズ演奏家やダンサーも出演し、栄華の再現をもくろむ。ただし、復活は一夜限り。テーマは「廃虚が見たキャバレーの夢」だ。

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「未完成」が入居していたビル。ほこりにまみれたソファーを外に出し、虫干しをした=北海道函館市松風町で

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SACHIYOさん

 一夜のオーナーとなるのはSACHIYOさん(本名・高見澤さちよ)さん(34)。東京で解体業を営み、音楽イベントも手がける。「花街だった大門が一番喜ぶことがしたい」と、キャバレーを舞台にする音楽イベントを構想し、場所を探し回った。

 JR函館駅前に広がる大門地区は、昭和30年代の高度経済成長期以降、高級クラブやキャバレーが立ち並び、路地には小さな飲み屋があふれた。デパートや映画館は若者や家族連れで活気にあふれた。

 同地区の松風町にある「未完成」は有名歌手が出演し、音楽と酒を楽しむ大人の社交場だった。300人ほどを収容、大きなステージもあり、専属歌手もいた。最盛期、店が終わる頃は前の通りが人であふれ、近くのそば屋は大繁盛したという。

 地域経済を支えた北洋漁業が衰退し、青函連絡船もなくなり人の流れが変わった。繁華街は五稜郭周辺に移り、今、大門は空き地やシャッターを閉めた店が目立つ。「未完成」も15年ほど前に店をたたんだ。

 大門を探し回った末、出合ったのが廃虚となった「未完成」だ。渋る所有会社を説得、中を見せてもらった。カビのにおいとガラクタだらけ。しかし「港町文化のにぎわい、大人の粋がほこりをかぶってじっとしていた」。インスピレーションでこの土地に呼ばれた気がした。

 会社を拝み倒して借り受けに成功した。消防法などの法律問題をクリアするため、役所に日参した。10代の頃から付き合いのあったジャズミュージシャンに声をかけ、出演を依頼した。復活のうわさを聞きつけた当時のホステスらも駆けつけ、「夜の蝶(ちょう)シスターズ&ブラザーズ」としてショーを盛り上げる。

 本番を前に、ホールや備品の掃除に忙しい。廃虚同然だっただけに電気の配線工事やトイレの復旧など仕事は山ほど続く。知人らがボランティアで手伝ってくれる。

 「大門は市民が愛を込めて心配している土地。赤字覚悟だけれど、幻の夜にしてみたい」とSACHIYOさんは話している。

 22日には、プレ・オープンとして夕方から会場を公開する(1000円)。問い合わせはSACHIYOさん(090・2052・0159)へ。

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