GPSの普及で、消え行く霧笛2007年09月30日 「ブォーブォー」。夏になると霧の街・北海道の釧路に数多く響く霧笛の音。濃い霧が発生すると、漁船に港の位置を知らせる役割を果たしてきたが、海上保安庁は全地球測位システム(GPS)を搭載した漁船が増えたことで、09年度までに全国の霧笛を全廃する方針を立てている。長年親しまれてきた釧路の霧笛も例外ではなく、早ければ年度内にも廃止される方向になっている。
釧路の霧笛は1925(大正14)年9月に使われ始めた。釧路埼灯台脇に圧縮空気方式のエアサイレンを設置した。54年2月には現在主流となっているダイヤフラムホーン(電磁式発信器)を全国で初めて導入した。 何度か移設された後、現在は釧路港東区南外防波堤西灯台に設置された。約2キロ先の釧路埼灯台(釧路市米町2丁目)にある電波で霧の深さを測る装置で視界が2キロ以下になると、二つある発音器から音が出る仕組みだ。 道内には、釧路のほか宗谷岬(稚内市)、日和山(小樽市)など10カ所に霧笛があり、全都道府県で最も多い。全国的には、道内を含めて16カ所が稼働するだけとなっている。 船に自分の位置を知らせる航路標識には、音で知らせる霧笛などの音波標識のほか、光で知らせる灯台などの光波標識、GPSを使う衛星航法システムなどの電波標識がある。 音波標識について、国際航路標識協会(IALA)総会は85年、「聴覚による距離、方位の判断は不正確」だとして、原則、船の位置を音で決めることはしないと決議した。 これを受けて、海上保安庁は05年12月、航路標識の整備指針を定め、音波標識については「廃止環境が整った個所から計画的に廃止する」とし、8月3日、07〜09年度に順次全廃する方針を発表した。 釧路海上保安部の石川武市次長は「GPSや航洋レーダーの発達はもちろんだが、霧笛は風の向きによって、聞こえてくる方向が正確でない場合がある」と話す。 実際に霧笛を使う漁船を抱える釧路市漁協は「今は、ほとんどの船がGPSやレーダー機器を整備しているし、小型船も岸から遠くないところで操業している」と話し、霧笛がなくなることへの影響について「ほとんどないのではないか」という。 ただ、哀愁を帯びた霧笛の響きは地域の人たちに長く親しまれ、「実用的ではなくなったから」という理由で廃止されることには割り切れない思いが残る。 「昔の漁は霧笛を目印に使っていた。あの音がなくなるのは寂しいね」 地元では、こんな声も聞かれる。 PR情報この記事の関連情報コミミ口コミ
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