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エゾシカ被害深刻、ハンター育成急務

2007年10月18日

 道内のエゾシカ狩猟が25日から解禁される。エゾシカは道内全域で増え、農林業への被害が深刻だ。最近は暖冬少雪の影響で自然減が少なく、道は今季、捕獲増を目指して道東地域の狩猟期間を2月末まで1カ月延ばした。だが、肝心のハンターは減り続けている。昨季、狩猟に必要な狩猟者登録をした道内ハンターは7000人を下回り、道はハンター増に知恵を絞る。

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草を食べに道路近くまできたオスのエゾシカ=釧路支庁釧路町の国道142号沿いで

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 道東地方の生息数は推定17万頭±4万頭。ここ数年は日高地方を中心に増加が著しく、道東以外の地域の個体数は道東と同じレベルかそれ以上との見方も出ている。「このままいけば制御困難になる恐れが高い」として、道は05年度から渡島・檜山・後志支庁管内にも可猟区を広げ、道内全域で狩猟を解禁した。

 道によれば農林業被害は昨年度、29億5000万円で、再び増えだした。

 道内で狩猟免許(1種=ライフル、散弾▽2種=空気銃▽網・わな)を持つ人は05年度で9026人。かつては2万人を超えていたが、90年代は1万数千人、00年度からは1万人以下の状態が続いている。

 高齢化も著しく、60歳以上の免許所持者は05年度に4割を超え、10年前の約2割から大幅に増えた。

 ハンター増に向けて道は03年度から狩猟免許試験を従来の7、8月に、農閑期の2月を加えて年3回に。04年度からは7、8月の試験日を日曜日にした。この効果があって、年間145人にまで落ち込んだ1種免許の新規取得者は200人台まで回復した。

 それでも、猟期に実際に狩猟するために必要な狩猟者登録をする免許所持者は増えない。05年度以降は2割以上が登録せず、新規のハンター増も高齢化には追いつかない状況だ。

 昨季は狩猟による捕獲数が4万1139頭と、前季より8680頭も減った。暖冬少雪の影響で人里に近づくシカが減ったことなどが理由に挙がるが、ハンターの減少も要因の一つとみられる。

 捕獲数を増やすため、道はシカ肉の有効活用に力を入れている。野生鳥獣肉を使ったジビエ料理ブームに乗って肉の消費量を増やそうと、独自に「エゾシカ衛生処理マニュアル」を作成し、講習会を各地で開催。肉処理事業者が自主的な衛生管理基準を作って処理すれば「安全で安心」なシカ肉が流通するようになり、需要が増えれば狩猟の魅力アップにもつながるとみる。

 さらに、道は今年度から、新人ハンターらに狩猟の技術や現場でのシカ肉の処理方法などを教える講習会も始めた。狩猟期間以外は頭数管理のための許可捕獲で、専門のハンターが良質なエゾシカを各肉処理場に持ち込んでいるが、こうしたハンターの後継者を育てるねらいもある。

 道自然環境課野生鳥獣グループの西村孝幸主査は「次に続く世代の育成は重要。免許取得だけではなく、捕獲技術も伝え、エゾシカの頭数管理に努めたい」という。

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