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楽しい副業、天然のハチミツ採り

2007年09月29日

 高知県東部の山あいに入る道路沿いの側壁や山の斜面に、小さな木箱が置かれているのをあちこちで見かける。実はこれ、ハチミツ採取のためのミツバチの巣箱。いつの頃から始まったのかは定かでないが、昔から継承されてきた独特の採取法で、板を張り合わせたもの、丸太をくりぬいたものと形は様々。ミツバチと言っても、養蜂の盛んなセイヨウミツバチと違って、日本列島に生息するトウヨウミツバチの亜種、ニホンミツバチたちだ。

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びっしり詰まった巣を取り出す大井さん。手がハチミツでベトベトになる

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巣箱を持ち上げると、中には無数のミツバチがひしめいている

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ざるの上に巣を砕いてのせ、ハチミツがしたたり落ちるのを待つ。蜂の子などを取り除くためだ

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巣箱から切り取った巣板。ハチミツがつまり飴(あめ)色に輝いている

 安芸市黒瀬に住む大井瑞穂さん(68)はハチミツ採りの名人と言われる。素手でミツバチたちを触る。もともと性質のおとなしいニホンミツバチだが、巣を荒らせば刺す。しかし、刺されても平気だという大井さんのハチミツ採取に同行した。

 大井さんは、県道沿いに約30個の巣箱を置いている。コンクリートの擁壁の上や、ユズ畑の中など、ミツバチたちが分蜂して新しい巣を作りやすい場所を探して巣箱を置く。「巣箱を置いても全く巣をかけない箱もある。自然相手ですから、カンだけで勝負です」

 この日採取に向かったのは、ユズ畑のある山腹の岩陰に置いた巣箱。丸太をくりぬいた高さ80センチほどの巣箱を持ち上げると、中には何万匹ものミツバチ。箱の中いっぱいに何本もの巣がびっしりたれさがっている。採取はまずこのハチたちを別の巣に移すことから始まる。新しい巣箱を巣のある箱にかぶせ、巣箱を木づちでたたくと、ハチは驚いて逃げ出す。振動に弱い性質を利用した移動法だ。あとは巣板を一つずつ取り外していく。巣板を割ると甘い香りのハチミツがとろりとしたたり落ちた。

 「巣をかけてくれると、約1年で採取できます。1箱で一升瓶4〜5本。今は1本1万円を超えます。ただ、道路際の巣箱はよく荒らされるんですよ」と大井さん。農家の人たちの楽しい副業でもある。

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