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ドリル「脳耕」 認知症予防のために脳を耕す

2007年10月29日

 兵庫県朝来市が認知症の予防のために作ったドリル「脳耕(のうこう)」が好評だ。文学作品を音読しながらの書き取りや、百ます計算に似た足し算やかけ算を組み合わせた内容。昨年初めて作って市民の評判が良かったため、今年は書き取りの題材に地元出身の児童文学作家、森はなさんの代表作「じろはったん」を採用した新シリーズを発刊。利用対象を市外にも広げて活用を呼びかけている。

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朝来市が作った認知症予防ドリル「脳耕」=朝来市で

 地元の専門医や臨床心理士でつくるグループ「豊かさ物づくりの会」が発案した。難易度順に「種まき編」「水やり編」「収穫編」の3冊で構成。童話の文章を声に出して読み、文中の傍線が引かれた部分を漢字に直しながら書き写す「国語」と、縦横1列に並んだ0から9までの数字を百ますの欄内の指示に従って足し引きやかけ算をする「算数」からなる。

 1冊が60日分で、毎日楽しく続けられるようにと、バラバラに並んだ文字を言葉になるように線で結んだり、縦横の数字の和が等しくなるよう数字を埋めたりするパズル問題も織り交ぜ、飽きの来ない工夫もしている。モデル地区で65歳以上の人を対象にした実証テストでは、注意力や判断力といった認知症で衰えがちな前頭葉の機能が向上した人もいた。

 新シリーズで使われる「じろはったん」は、戦争中の旧和田山町(現・朝来市)を舞台に、心優しい青年と疎開してきた子どもの交流を、地元の方言による優しい語り口で描いた童話。脳耕を知った市民グループが、郷土の物語を書き取りに活用することを市に提案し、森さんの遺族も快諾して発刊した。

 朝来市は「毎日こつこつ脳を耕して、楽しく認知症の予防に取り組んでほしい」としている。対象は40歳以上の希望者で1冊500円。問い合わせは同市地域包括支援センター(079・672・6125)へ。

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