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あわや廃棄処分、岡本太郎氏デザインの大看板

2007年11月15日

 大阪万博のシンボル「太陽の塔」の作者、岡本太郎氏(1911〜96)がデザインし、大阪府吹田市のレストランに飾られていた大型看板が、閉店による処分の危機を乗り越え、市に引き取られた。万博を振り返る特別展の企画にあたった市民らが、持ち主や市に働きかけた。「リオ」という愛称も付き、特別展の入り口で来場者を迎えている。

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岡本太郎氏デザインの看板=吹田市五月が丘東で

 看板は岡本氏のデザインに基づき、金属やプラスチックの板を組み合わせて造られたもので、直径約5メートル。大きな目が描かれたハート形の顔の中央に、鼻のように盛り上がった青い稲妻型の模様が走り、周囲には陽光のような装飾。どことなく太陽の塔の顔を思わせる愛らしいデザインだ。

 清掃用品レンタル大手の「ダスキン」が、83年に吹田市芳野町にレストラン「カーニバルプラザ」を開業する際に岡本氏にデザインを依頼した。その後、店は運営会社が代わり、今年9月末で閉店した。店側は閉店に当たって、店舗と共に看板も解体、廃棄することを検討していた。

 その危機を救ったのは、大阪万博を回顧する特別展「’07EXPO’70 わたしと万博」を企画した市民委員の一人、明石尚武さん(65)。今年8月、レストランの運営会社の役員から看板廃棄の話を聞き、「巨匠の作品が失われるのはもったいない」と、特別展での展示を提案。会場の市立博物館側にもかけ合って譲渡が実現した。

 明石さんは、昨年修復が完了してまだ保存場所が確定していない岡本氏の巨大壁画「明日の神話」を吹田に誘致する活動をしている。レストランの看板にも、以前から愛着を抱いてきた。

 当初は博物館で展示する予定だったが、巨大すぎて同館の入り口へ通じる名神高速下のトンネルを通れず、手前の駐車場にクレーンでつり上げて飾った。移転などに約100万円の費用がかかったが、特別展の予算と会場での募金活動などで賄う計画。レストランで使われていたグラスなどに看板のデザインがあしらわれていたことから、これらも譲り受け、一定額以上の募金者に贈るという。

 「リオ」という愛称は、岡本氏がカーニバルをイメージしてデザインしたという逸話にちなんで、カーニバルの本場、ブラジルのリオデジャネイロから付けた。

 12月2日まで開催されている特別展の期間中は駐車場に飾られるが、その後の展示、保管方法はまだ決まっていない。明石さんは「岡本氏には珍しく、太陽の塔などとは違ったファンシーなデザインで可愛らしい。ゆかりの吹田市で永続的に展示できるよう、市民で力を合わせたい」と話している。

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