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人気の観葉植物「丸葉ユーカリ」 大量栽培技術を開発

2008年05月12日

 かわいらしい葉の形でフラワーアレンジメント用などに人気がある観葉植物、「丸葉ユーカリ」。この苗の大量栽培に松山市農業指導センター(同市北梅本町)が成功し、市はこの新技術で初の特許を取得した。市は近く大量栽培した苗を市内の栽培農家に従来の市場価格の10分の1程度で販売し、「市町村別のユーカリ出荷量で日本一を目指したい」と意気込んでいる。(林哲史)

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切り取った「丸葉ユーカリ」の穂をスポンジに挿し、根が出るのを待つ

 新技術を使い栽培するのは、一般的に知られる細長い葉をしたユーカリではなく、直径2〜3センチ程度の丸い葉をした丸葉ユーカリ。同センターが開発した栽培法は、成木から切り取った穂の部分をスポンジに挿し、水分を与えることで効率よく発根(はっこん)させる。

 丸葉ユーカリは葉の形など高品質なものが求められ、栽培には手間がかかる。苗を種から育てる場合、葉がうまく育たず商品価値のない苗が大量に発生するなど問題点が多い。土に穂を植える挿し木や組織培養などの方法もあるが、根が出る確率が1〜3%と低かったり、無菌室の整備など多額の設備投資が必要になるなど栽培効率が悪いという。

 スポンジに穂を挿す新技術で、一度に大量の苗を発根させることが可能になった。スポンジに挿し木してから約2カ月後には根が生え、その4カ月後には農家に販売できる状態まで育つ。同センターによると根が出る確率は約50%といい、従来の方法と比べ格段に栽培効率がアップした上、費用も安く上がる。

 同センターが、ユーカリ苗の栽培技術開発に取り組み始めたのは01年。当時、ミカンなどかんきつ類の価格が低迷し、農家の新たな収益源としてユーカリ栽培が注目されていた。試行錯誤を繰り返し、約7年をかけて、スポンジを使った栽培法にたどり着いた。06年3月に特許出願し、今年2月に登録された。同市が特許を取得したのは分野を問わず初めてで、県内の自治体でも例がないという。

 06年度の同市のユーカリ出荷量は約51万本。国内1位の浜松市は約97万本で、現状では大きく水をあけられている。松山市では、同センターで栽培した丸葉ユーカリ苗を、今夏から市内の栽培農家に安く販売していく方針。鈴木理憲・市産業経済部農林水産担当部長は「苗の供給を通じてユーカリの産地づくりを進め、将来的には浜松市の出荷量を追い抜きたい」と話し、松山の新たな特産品として期待をかけている。

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