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「北陸のアキバ化」計画進む 金沢

2008年05月15日

 しにせファッションビルにアキバ・ロリータ系が集合――。金沢市の繁華街、竪町の「ベルセル」が今春、全館をアニメやフィギュア、乙女趣味的なロリータ系ファッションなどの店舗に入れ替えた。売り上げの伸び悩みやテナント流出など、商店街の空洞化対策の切り札としてオタクの聖地・秋葉原にならった「北陸のアキバ」化計画が進む。(矢代正晶)

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1階に入居するロリータファッションの店=金沢市竪町

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3階のアニメ系ショップには、マニア好みの漫画や雑誌がずらりと並ぶ=金沢市竪町

 これまで男性向けファッションの店などが入っていた店内を一新、3月に15店舗で再オープンした。1階はフリルをふんだんにあしらったロリータ系など女性向けファッション。2、3階にはアニメ系の書籍や同人誌、フィギュアの店が並ぶ。メード喫茶やおでんの自動販売機もあり、秋葉原の雰囲気を醸し出す。

 休日には、朝11時の開館を待ちかねる若者たちがビルの前に集まる。富山、福井からも駆けつけ、1日かけて楽しむ人も多い。「これほど熱気のある客層はほかのジャンルでは見あたらない」。ビルを運営する細田商事の細田泰成社長(51)は目を細める。

 昨年、アニメ系ショップ「アニメイト」と、フィギュア製造・販売の「ボークス」の誘致に成功。2店とも「オタク界」の有名企業で売り上げが好調だったことから、総入れ替えに踏み切った。

 「オタクの聖地」と言われる秋葉原や中野、ロリータ系ファッションの店が集まる原宿など東京の数十店に、社長自らアポなしで飛び込んだ。「入るのは勇気が要りました」。周囲の視線に耐えつつ客層などを綿密にチェック。地方進出を渋る店も口説き落とした。

 「他の施設と違う個性を打ち出さなければ、生き残るのは厳しい」。76年にオープンしたベルセルは、80年代に年間14億円の売り上げがあったが、ここ数年は10億円ほどで推移。JR金沢駅前の「金沢フォーラス」(06年オープン)など新しい大型施設と20代以上の客層を奪い合う形になり、方向転換を迫られた。

 着目したのが、アニメなど日本発の「オタクコンテンツ」が海外でも人気だという雑誌の記事。「これから勝負するならこのジャンル」。主なターゲットを10代に据えた独自路線に活路を求めた。

 開店初日には約100人が行列をつくり、客はリニューアル前の1.3倍、土日は2倍に増えた。1人が使う額は平均4千円ほどだが、北陸全域から集客して商店街に新たな客層を呼び込んでいる。

 夏までに新店舗も入る予定で、年間売り上げ目標は12億円。細田社長は「テナントビルは時代とともに姿を変える、いわば生き物。ビルを北陸のオタクの聖地にしたい」と意気込んでいる。

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