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駆除したイノシシ、「ヘルシー肉」の特産品

2007年10月14日

 農作物へのイノシシ被害が続く長崎県内で、捕獲されたイノシシの肉を特産品として売り出そうという動きが広がっている。肉の鮮度を保つためには細心の注意が必要。イノシシ肉の加工・販売にいち早く取り組み、ブランド化も検討する長崎県江迎町の動きを追った。

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特産品として売り出されているイノシシのスライス肉=江迎町長坂免の山下商店で

 3日、町経済課の職員2人が同町乱橋免の山中に軽トラックで向かった。猟友会の男性(57)から「イノシシを捕まえた」と連絡が入ったからだ。現場は人里に近い雑木林の中。近くに栗の木があり、落ちた実を食べに来たようだ。左前脚がくくりわなにかかったイノシシが暴れていた。

 駆除されたイノシシは体長約1メートル、体重約25キロの若い雄。駆除には危険が伴うものの、オスは商品にならない。同町では、臭みが少なく、軟らかいメスの肉しか市場に出していないからだ。

 稲作や肉牛飼育を中心とした同町では10年ほど前から、イノシシによる農作物被害が目立ち始めた。02年度の被害額は1000万円近く、昨年度は約560万円に上った。

 捕獲頭数も急増。00年度は33頭だったのが、02年度に100頭を超え、昨年度は約420頭に。駆除したイノシシの処分に困るようになり、考え出されたのが「イノシシ肉の特産品化」。

 03年4月、県と町が約1000万円をかけて、県内初のイノシシ肉加工販売所「ヘルシー・BOAR(ボア)」を設立。地元猟友会が中心となって運営を始めた。

 江迎猟友会長の山下伊三郎さん(66)は「農作物の被害を減らし、新たな特産品をつくって町の活性化につなげようという、一石二鳥の取り組み」と話す。

 こだわるのは「質の高さ」。肉に臭みが出ないようにするため、駆除してすぐに血を抜く。30分以内に加工販売所で毛皮と内臓を取って冷蔵。「シシ肉は固い、くさいと思われがちだが、江迎のシシ肉は軟らかく、焼き肉にしてもおいしい」と山下さんは自信を見せる。

 町によると、1キロ約3000円とやや高値だが、低カロリー・高たんぱく質の「ヘルシー肉」というふれこみや物珍しさも手伝って、ピークの05年度は765キロを販売した。

 最近は産地間競争にさらされている。長崎市や松浦市などでもイノシシ肉の販売が始まり、同町の昨年度の販売量は433キロにとどまった。

 そこで今年2月、官民で「江迎しし肉ブランド化検討会」を設立。経営安定化や肉質の向上、広報策などの協議を始めた。来年1月からは、同町と隣の鹿町町の小中学校の給食で「シシ肉カレー」が登場するなど、町ぐるみで流通増に向けた取り組みも始まる。

 町経済課の山辺圭介課長は「まずは地元の方々にシシ肉のおいしさを知ってもらい、リピーターを確保したい。また、主婦の方々と協力してシシ肉料理の開発を進め、消費のすそ野を広げたい」と力を込める。

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