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《見てきた》映画「東京タワー」ハンカチをお忘れなく

2007年04月06日

 リリー・フランキー原作の「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」(扶桑社)が映画化され、14日から松竹系で全国ロードショーが始まる。映画は松尾スズキ脚本、松岡錠司監督、オダギリジョー主演。「泣ける」と評判の試写会をのぞいた。(アサヒ・コム編集部)

写真「東京タワー オカンとボクと、時々オトン」(C)2007T−o.b.t.o.F.P.
船の模型をつくるオトン。親子に見えた時間だった (C)2007T−o.b.t.o.F.P.
筑豊の線路をオカンと手をつなぎ歩いた (C)2007T−o.b.t.o.F.P.
東京・笹塚の家で再びオカンと暮らすことになった (C)2007T−o.b.t.o.F.P.
東京で暮らし始めたオカンはボクの仲間とすぐに仲良くなった (C)2007T−o.b.t.o.F.P.

 原作はコラムニスト、イラストレーターなど多彩な才能を発揮するリリーの自伝的小説。九州で過ごした少年時代から、母親を呼び寄せ東京タワーの見える病院でみとるまでを描き、200万部を超す大ベストセラーになった。

 すでに原作は読んでいた。それでも、やっぱり泣いてしまった。

 配役がいい。主役の《現在のボク》役がオダギリジョー、母親の《現在のオカン》が樹木希林、《若い頃のオカン》が樹木の実の娘の内田也哉子、《オトン》が小林薫、ボクの恋人の《ミズエ》に松たか子。実力派の演技がストーリーを引き立てる。

 映画は時系列ではなく、幼少時代と、東京タワーの見える病室でオカンを看病する現在との間を埋めるように、過去のシーンが展開していく。

 ボクは寂れゆく炭鉱の街・筑豊でオカンに女手一つで育てられる。大分の美術高校に進み、さらに、美大に合格して上京。小料理屋で働くオカンからの仕送りを頼りに、自由気ままに生活。ようやくイラストなどで食えるようになった頃、オカンの病を知る。

 手術は成功し、再び東京で一緒に暮らすことになった。だが、しばらく続いた親孝行の日々は長くは続かなかった。

 一つひとつのシーンは、明るく楽しいだけに、すでに見えている結末を思うと、目頭が熱くなる。

 自分が東京という舞台に上がるために、郷里に残した大切な人。東京で取り戻したと思った大切な時間。東京に吸い寄せられ、浪費し、成功し、失望し……。すべては東京のシンボル、東京タワーを中心にぐるぐる回っていた、ということか。

 リリーの40年の半生が450ページの本になり、それが2時間22分の映画になった。「いろいろ、ごめんね。そして、ありがとうね」。その言葉に集約されたオカンへの思い……。

 ハンカチを忘れて試写会に行ったことを後悔した。

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