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原宿に「ブログ放送局」 新女王の本音トーク炸裂

2007年04月10日

 東京・原宿の表参道に、ちょっと変わった公開スタジオが出現した。「なんの番組?」。道行く人が振り返る。週末には人気タレントが出演し、歩道がファンで埋まる。けれども、ここから“生放送”される番組は、テレビで見たりラジオで聴いたりはできない。IT企業サイバーエージェントが運営する「ブログ動画スタジオ」だ。準備はわずか2カ月、若手社員たちが手探りで作り上げた。(アサヒ・コム編集部)

写真原宿の表参道に登場した「アメーバスタジオ」
写真ブログが人気の若槻千夏さん
写真番組に出演したゲストの松浦勝人・エイベックス社長(右)、若槻千夏さん(中央)、司会の白石みきさん
写真複数のモニターが並ぶ調整室

     ◇    ◇

 「アメーバスタジオ(アメスタ)」は今年2月にオープンした。同社が運営するブログサービス「アメーバブログ(アメブロ)」で公式ブログを開いているタレントや著名人をゲストに迎え、ブログ同様に、本音炸裂(さくれつ)のトークを展開するのが売り物だ。

 開設初日の2月14日にはタレントのリア・ディゾンさんが出演。その後はモデルの押切もえさん、アーティストの鈴木亜美さん、EXILEらが出演した。ガラス張りのスタジオには、出演者らの写真が並ぶ。

 番組はアメブロ内に開設された動画ブログで生中継される。過去の番組のダイジェスト版も同じページで見ることができる。

 ●本音が光る「新・ブログの女王」

 3月22日の特別番組のゲストはタレントの若槻千夏さん。テレビのバラエティー番組での明るく機転の利いた口調そのまま、ポンポンと大胆発言が飛び出す。

 「彼氏ができたら? ブログで発表しちゃいます。写真も見せちゃいますよ」

 ブログの延長の感覚なのだろうか。同じくゲストの松浦勝人・エイベックス社長には「歌手志望だったんです。企画モノでも、一発屋でもいいから、CDを出してください!」と、自ら談判を繰り広げる。

 若槻さんは、ブログ「マーボー豆腐は飲み物です。」を今年1月に始めたばかり。これが若者にうけ、新・ブログの女王の呼び声も高い。1日で74回も更新した2月5日には、130万ものページビューを記録した。

 一方、松浦社長が書く「仕事が遊びで遊びが仕事」もアメブロの人気ブログの一つだ。エイベックスに所属するアーティストの動向や、同社の新しい企画について、公式発表に先駆けて記されることもある。

 スタジオを取り囲んだ観客とウェブ上のファンに向け、「ブログはゆるいスタンスでやりたい。あまり期待しない程度に見てください」と若槻さん。松浦社長も「ビジネスマンというつもりではやっていません。プライベートな部分を含め、勇気をもって更新ボタンを押せるようにしたい」と、こだわりを語った。

 ●準備期間はわずか2カ月

 アメブロは、4月現在で約160万人のブログ開設者を抱える国内最大級のブログサービス。サイバーエージェントの藤田晋社長も自ら「渋谷ではたらく社長のアメブロ」をつづっている。

 その藤田社長が、500人以上のタレント・有名人の公式ブログを効果的にPRし、リアル(現実)とウェブ上のサービスを連動させる拠点として「アメスタ」を発案した。

 20代の若手社員、藤井琢倫さんが担当プロデューサーに指名されたのは昨年暮れのこと。スタジオの立地と、2カ月足らず先に迫った開設日だけが決まっていた。

 「ぼくはもちろん、1500人もいる会社の中に放送関係の仕事をしていた人がいない。スタジオづくりや機材調達は見よう見まねでした」

 藤井さんは、芸能事務所へ日参し、昨年6月までは数十人規模だったという有名人ブログを急速に拡大した中心人物だ。その経験が見込まれ、新規事業を任せられることになった。

 「IT企業というと、社員はパソコンに向かってばかりと思われがちですが、やはり、人と人との出会いが一番大事だと教わりました」

 今後は、テレビやラジオ番組との差別化をめざしたいという。「双方向性と、あえて完璧(かんぺき)を求めないところが、ネットやブログのおもしろさ。ユーザーの方が思わず前のめりになってパソコンを見るような番組をつくりたい」

 4月2日にはチャット機能を追加。生放送中にユーザー側がカメラを切り替えられるようにしたり、ユーザーが番組の企画を提案したりできるようにするつもりだ。

 目下の心配ごとは、ゲストによっては膨れ上がる見学者の数。スタジオが入るビルの2階は美容室で、上階にも多くの事務所などが入る。表参道の歩道をふさぐことも許されない。

 「近所の方々には、オープン前にごあいさつして回りました。平日の番組も増やしていきたいので、混雑が予想されるときには社員や警備員を増員し、周りに迷惑がかからないように気をつけます」。小さなカメラが並ぶスタジオは一見、近未来的なしゃれた空間だが、その外側では、アナログ的な人の働きが番組づくりを下支えしている。

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