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イチゴ摘みロボット、「とちおとめ」熟れごろ察知

2007年04月18日

 栃木の名産イチゴ「とちおとめ」を摘みとるロボットを宇都宮大の研究者が開発、試作モデルができあがった。関係者は今後の実用化に期待をかけている。

写真アームを動かしてとちおとめを摘みとるロボット
写真とちおとめを摘みとるロボットを見守る尾崎准教授=いずれも宇都宮市で

 開発したのは、宇都宮大大学院工学研究科の尾崎功一准教授(39)を中心とするチーム。同大と民間企業、県との産官学のコンソーシアム事業の中で誕生した。

 完成したロボットの働きぶりはこんな具合だ。

 台車が水耕栽培で地面より高いところに設置したベンチで育つイチゴの脇を進んでいく。「計測中」。イチゴ摘みロボットのセンサーが反応し、大きさや色から成熟したかどうかを認知していく。

 「あった」。摘みごろのものがあれば、ロボットが声を発し、専用のアームを上下左右、前後に動かしてイチゴの茎を切りながらつかむ。取れない時は、「届かないよ」と声を出し、幅寄せをして再度挑戦する。うまくいけば、「摘み取り終わり」との音声。その後また、次のイチゴ摘み作業へ進んでいく。平均約10秒で1個を摘み取る能力があるという。

 以前から具体的な課題を解決できるロボットの開発を目指していた尾崎准教授は、東京から農業が盛んな栃木に来たことで県の名物や名産に関連した研究を希望。そんな時、コンソーシアム事業計画を知り、手をあげた。農業従事者の高齢化や自給率低下が進んでいることから機械化は欠かせないという事情も念頭にあったという。

 研究は04年8月からスタート。システムは尾崎准教授と研究室の学生で、メカづくりは民間企業で進めた。

 工場で動く通常の産業ロボットとは違い、仕事場はビニールハウスの中。相手は果物という生物。工業製品と異なり、同じ形の葉や同じ太さの茎はひとつとしてない。太陽の位置で受ける光の加減も違ってくる。どのような状況にも的確に対応できるように実際のデータをインプットして設計した。研究室では可能だったことが、ビニールハウスではうまくいかない例も多かったという。試行錯誤の結果、05年2月に完成した。

 今後はベンチャー企業と連携し、2年後の実用化をめどに改良を進める計画だ。たんに摘む作業をするためのものではなく、「収穫時の人手」としての実用的なロボットに改良していくのが目標という。

 尾崎准教授は「イチゴを傷つけてしまいそうなものには反応しないで人間に任せられるようなものにしたい」と話している。

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