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「オッサン」的渋谷の歩き方出版

2007年04月27日

 渋谷と言えばハチ公? マルキュー(渋谷109)? そんな判で押したような街のイメージとはちょっと違う角度から渋谷を見て、歩き、考えたルポ本が発売された。著者は自称「オッサン」ライターの鈴木健司さん(44)。極私的な内容が詰まっている。

写真ここは古都?「いや、渋谷です」と鈴木健司さん=松濤2丁目の区立鍋島松濤公園で

 鈴木さんのおすすめスポットを案内してもらった。渋谷駅前から文化村通りを進み、東急本店へ。その裏手にれんが色の小道が現れ、電柱には「散策路」とある。ずんずん進んでいくと、区立鍋島松濤公園(松濤2丁目)があった。

 かつて茶園だったというここは新緑がまぶしく、水車にあずまやが配置された池がある。「この池はわき水なんです」と鈴木さん。都会の騒がしさとは無縁の空間だ。

 鈴木さんは渋谷生まれ。「とはいっても、幡ケ谷ですから、なんちゃって渋谷ですが」と笑うが、買い物や映画といえば渋谷が定番だった。

 あらためて渋谷歩きを始めたのは、出版社のウェブサイトに連載の依頼があったから。不定期ながら3年間にわたってコラムを書いた。今回の本はその集大成だ。

 生まれ育った街だからたいていのことは知っていると思っていたが、歩いてみるとへぇと思うことに出くわした。一番ハッとしたのは、地形のおもしろさ。渋谷は「谷」というくらいで、駅周辺は「谷底」にあたる。坂が多く、起伏に富んでいる。「いままでそういう観点で見ていなかったなあと気づきました」

 マルキューこと渋谷109やメード喫茶に潜入して雰囲気にのまれそうになる一方で、「コギャルの聖地」などとメディアで記号的に取り上げられてきた渋谷とは別の一面が見えてきた。

 たとえば映画街としての渋谷。シネコン全盛のいまでは珍しく独立系の映画館が集まり、非ハリウッド系映画の発信地となっている。鈴木さんはその代表的映画館ユーロスペースの支配人から「渋谷の街そのものがシネコン」との話を聞き、合点がいったという。

 「渋谷の考現学」(NHK出版刊)は本体1200円(税別)。

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