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「2ちゃん」・仮想世界で求人 「とがった人材」期待

2007年04月30日

 匿名のインターネット掲示板「2ちゃんねる」で社員を募集したり、ネット上の仮想世界「セカンドライフ」に採用オフィスを設けたり――。こんな試みをするネット系企業が現れた。ネット技術にたけ、意欲ある人材を集めるのが目的だ。(アサヒ・コム編集部)

写真ミクシィが仮想世界「セカンドライフ」上に設けた採用オフィス

 2ちゃんねるで募集したのは、「着メロ」で知られる携帯サービスのドワンゴ(東京都中央区)。1部上場企業では異例の試みで、「潜在能力のある、とがった人材の発掘」が狙いだという。

 2月19日にプログラミング関連の掲示板内にスレッド(板)を立て、技術系社員約10人を募集。実在の人物からと思われる応募は38件あった。書類審査で絞った13人のうち、5人が面接に現れ、3人を採用した。3人とも、今春から働き始めている。応募者は全員男性だった。

 採用担当の千野裕司・研究開発本部長は「開発の仕事は地味で、業界は常に技術者不足。技術を持ちながら、就職や仕事にうまく結びつけられない人が2ちゃんねるを見ていると考えた」と説明する。

 学歴は中・高卒に限り、大学生は「卒業の意志がない方」に“逆制限”した。勉強そっちのけでパソコンに触ってきたような人を採りたいという趣旨からだ。

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 今回採用された社員の一人(19)は、1浪後に大学進学をあきらめ、求職中だった。プログラミングやニュースなどの分野で、よく「2ちゃんねる」を利用しているという。「スレッドが立ったのを見て、すぐ応募した。中3の頃からプログラミングに夢中で、どうせ受験勉強に身が入らないのなら、好きなことで自立しようと思った」と話す。その言葉通り、入社と同時に都内で一人暮らしを始めた。

 「面接試験が雑談のような感じで、いい雰囲気の会社だと思った。このとき知り合った人とそのまま喫茶店に行き、お互いのプログラミングの話で盛り上がった」。この応募者も採用され、いまは仕事のパートナーになっているという。

 渡會(わたらい)智一・人事セクションマネジャーは「社会人としてのマナーやコミュニケーションの力が多少不足していても、それは入社後に身につければいい。応募時のハードルを下げることで、より個性的で多様な人材を発掘したい」と話す。株主から問い合わせはあったが、社内では反対の声などは出なかったという。

 予想以上の成果があったとして、4月末まで追加募集をした。応募条件は、当初の「日本語で十分コミュニケーションがとれる方」から「なんとかコミュニケーションがとれる方」に、「17〜22歳」に「0x17〜0x22歳」を加えるなど、さらに緩和した。

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 一方、会員800万人超のソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を運営するミクシィ(東京都渋谷区)は3月、米リンデン・ラボ社の仮想世界サービス「セカンドライフ」に、1カ月限定で仮想の採用オフィスを設け、来春卒業予定の大学生らを対象に採用情報を提供した。

 社長室の小泉文明さんは「新しい情報やサービスに敏感で、そういうものを自分でつくる意欲を持った人材にアプローチしたかった」と説明する。

 採用オフィスは「ミクシィ キャリア・インフォメーションセンター」と名付けられた。仮想世界の「住人」となった利用者が中に入ると、会社概要や学生へのメッセージといった情報が文章や写真、動画で提供される。また、オフィス内にはミクシィのスタッフがおり、自由に「会話」も交わせるという、本格的なものだ。

 「学生が知りたいのは、社内の雰囲気や社員の働き方など、より踏み込んだ情報。会話を交わしながら、そういった情報もやりとりできる」と小泉さん。仮想世界で登場するスタッフは1人だが、現実には社員数人で対応したという。

 一方で、仮想世界ならではの「遊び心」も。

 1階で情報をみると同社のTシャツが、3階で映像をみると同社のロゴ入り自転車が、それぞれ与えられるという仮想の特典を設けた。

 同社は仮想オフィス開設の「効果」をはかるのはまだ難しいという。ただ「魅力的な人材をとるのに必要なら、新しい方法に取り組むのは当然。今後もさまざまなアプローチをしていきたい」と意欲的だ。

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