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「鉄子の旅」TVアニメ化 テツブームの予感

2007年05月09日

 鉄道にまったく関心のない女性マンガ家と、鉄道好きの男性が珍道中を繰り広げるマンガ「鉄子の旅」が、テレビアニメになる。ひたすら列車に乗り、駅舎をめで、その奥深い世界を味わいつくす徹底ぶりが話題を呼んだ作品だ。CS放送局ファミリー劇場で6月24日から放送される。(アサヒ・コム編集部)

写真横見さん(右)の鉄道に寄せる熱い思い。それが「鉄子の旅」の見どころのひとつだ (C)菊池直恵・横見浩彦/小学館/「鉄子の旅」製作委員会
イラストテレビアニメになる漫画「鉄子の旅」 (C)菊池直恵・横見浩彦/小学館/「鉄子の旅」製作委員会
写真横見さん(右端)と菊池さん(左端)の2人を中心に、「鉄道漬け」の珍道中が続く (C)菊池直恵・横見浩彦/小学館/「鉄子の旅」製作委員会

 「鉄子の旅」は、小学館の月刊誌「IKKI」に連載された。国内にある1万近い駅すべてに下車した「究極の鉄道好き」横見浩彦さんが、鉄道は単なる交通手段としか思っていないマンガ家・菊池直恵さんや担当編集者を引き連れ、鉄道の旅に出かけていく。

 登場するのは、130円で1都6県をぐるっと大回りしたり、東京―鹿児島間を鈍行で2泊3日かけて移動したり、といった「鉄道漬け」の旅ばかり。横見さんと菊池さんのやりとりを軸に、道中の模様を描いた実録マンガだ。

 「鉄子」担当で「IKKI」編集部の神村正樹さんは作品の魅力について「面白いマンガを描きたい菊池さん、鉄道のすばらしさを伝えたい横見さん。まったく違う方向性の2人だからこそ、互いの良さを引き出せたのでは」と話す。

 連載をまとめた単行本(1〜6巻)は35万部を超えるヒットになった。

 原作のおもしろさにひかれ、1年ほど前、アニメ化を提案した東映ビデオ開発部の嶋津毅彦さんが番組のプロデューサーを務める。「マンガでは描ききれない、電車の動きなどをアニメでうまく表現できれば」と話す。スタッフが実際に現地に足を運んで資料を集めるなど、絵づくりには特にこだわった。

 折しも、この春、TBS系ドラマで「特急田中3号」が始まるなど、鉄道モノに注目が集まる。「鉄子」の話題も、雑誌などに取り上げられる機会が増えたという。

 嶋津さんは「各駅停車のようにつくっていたら『特急』に抜かれちゃった。でも、すごくいい列車なので、そこに便乗させてもらおうかなんて」と笑いつつ、「『テツ』が来そうだとの思惑なしで始めた企画。『あれ? もしかしたら来てるかな』というのが実感ですね」と話している。

 アニメ「鉄子の旅」は30分番組で全13話。1〜4巻までのエピソードをもとにした。オープニングのナレーションを俳優の原田芳雄さんが担当するのも注目だ。

 番組に関する最新情報は公式ページでチェックできる。

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