「東京タワー」 ロケ地が大人気2007年05月10日 4月から公開されているリリー・フランキー原作の映画「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」の撮影場所、栗原市鶯沢のセットが人気を集めている。ゴールデンウイーク中には、首都圏や福島、岩手から多い日で1日5000人、延べ2万人の観光客が来場した。県内の映画やドラマ撮影は昨年度、スタッフの宿泊や飲食だけでも約5000万円が使われたという。地域振興、観光振興など、期待高まる「ロケ地みやぎ」の可能性を探った。
赤ちょうちんのぶら下がる居酒屋の奥には、藺草(いぐさ)のにおいが香ってきそうな畳屋、ちょっと歩くと、雑草が生い茂る路地。東京タワーの「ボク」の幼少期が撮影されたロケ地には、タイムスリップしたような空間が広がる。「こんな空間が残っているのは奇跡と映画関係者に言われましたよ」と、ロケ地を所有する細倉金属鉱業の高柳悟社長は誇らしげに話した。 同社は昭和10年代に建てられ、昨年4月には壊す予定だった同社の社宅をセットとして提供。古い電柱や建物の増設、整地なども無償で行い、現在はロケ地として公開している。入場は無料だが、飲み物やジャムなどの売れ行きは好調で、「何せ住人1000人ほどの地域に2万人。効果は大きい」と高柳さん。「それに、一瞬を撮るために全力をつくす映画撮影は社員の勉強にもなった」と指摘する。 ロケ地として選ばれたきっかけは「口コミ」らしい。福島県いわき市が舞台の映画「フラガール」の撮影の際、同社がセットに必要な昭和初期のふすまやガラス戸などを提供したことで、「昭和初期の鉱山社宅があるという話が伝わったようだ」という。 そうした口コミ効果に、県内の撮影の窓口役のせんだい・宮城フィルムコミッションの福田晴美さんも注目している。他県では兼務になりがちな撮影対応者を常駐させ、シナリオを見て撮影場所を提案できる態勢を取る。ロケスタッフの評判は上々で「スタッフがリピーターとして来るケースもあり、撮影は少しずつ増えている」という。 ただ、口コミだけに頼っているわけにもいかない。次に期待を寄せるのは「縁(ゆかり)」だ。12日から仙台市で先行上映が始まる同市が舞台の映画「アヒルと鴨(かも)のコインロッカー」では、原作者の伊坂幸太郎氏が同市在住。原作も仙台が舞台とあって、同市内を中心に撮影が行われ、映画の公式ホームページでは仙台市の撮影場所の紹介もされている。福田さんは「仙台には最近注目を集める作家も多く住み、舞台が仙台の作品も多数ある。映画化すれば、また仙台で行われる可能性は高い」とそろばんをはじく。 しかも、東京から新幹線で2時間弱とアクセスが良く俳優の日程も合わせやすいほか、都会と田舎を併せ持ち様々な撮影に対応しやすいのも重宝がられているという。 韓国では、ドラマのロケ地がそのまま観光地になるケースも多い。韓流ならぬ「仙流」のブーム到来となるか。「映像に文学。流れは来ています」。福田さんの声がはずむ。 PR情報この記事の関連情報 |