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明治の便器に観光客感嘆 「トイレ目的」も 山梨・勝沼

2007年05月13日

 山梨県甲州市勝沼町にある、国の登録有形文化財の旧田中銀行。この建物1階にある、陶器製便器がトイレマニアに人気だ。明治時代に作られた年代物の、この便器。観光客をもてなす、旧田中銀行友の会の会員は「トイレ目的に訪ねてくる人もいます」と困惑気味だ。

写真陶器製の女性用便器=甲州市勝沼町の旧田中銀行で
写真陶器製の男性用便器。花の模様が描かれており、使えないのが残念だ=甲州市勝沼町の旧田中銀行で
写真国の登録有形文化財の旧田中銀行。明治時代の洋風建築だ=甲州市勝沼町で

 旧田中銀行は、明治30年代に電信局舎として建築された後、同銀行として利用された洋風建築の建物で、97年に国の登録有形文化財に指定された。今は一般公開されており、同町の住民10人が友の会を結成して輪番制で案内役をしている。入場は無料だ。

 建物内は、100年以上前に建築されただけに、クラシックな雰囲気が漂う。木製の開きドアに手すり付き階段。机の上には、当時のそろばん、昭和初期の計算機など業務関係の品から、真空管ラジオなど、年代物の「お宝」が所狭しと並んでいる。

 そんな中で、目を引く「雪隠」の張り紙。この戸を開くと、建築当時の形をそのまま残した、男性用の便器が目に入る。陶器製の便器には、白地に青色でボタンの花や鳥が描かれている。一見すれば、まるで花ビンのような優雅さを醸し出している。

 さらに奥をのぞくと、半円形ではなく四角形の金隠しがある。この女性用便器も、陶器製で同じような模様が描かれている。

 この優雅な便器に、現代の水洗トイレに慣れ親しんだ観光客らは「珍しい」、「見たことない」と驚きの声をあげるという。また、トイレへの関心が強いマニアな人たちがたびたび、用を足さない「トイレ目的」で訪れるという。

 友の会の若尾あい子さん(70)は「私が当番の日だけでも、80人近い観光客がトイレの写真を撮っていきました」と、便器人気に驚いている。

 しかし、このトイレ、最後に使ったのは昭和初期ごろ。現在、使うことができないのが、ちょっぴり残念だ。

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