公道の上に動物の橋 「効果あれば全国へ」2007年05月18日 八ケ岳のふもとに今年夏にも、リスや国の天然記念物のヤマネといった動物のための「橋」が公道上に設置される。道路で分断されたこれら動物の生活圏を結ぶのが狙い。関係者は「効果が確かめられれば、全国の森に広めたい」と意気込んでいる。
この橋は「アニマルパスウエイ」と呼ばれている。山梨県北杜市を拠点に環境教育や国際協力に取り組んでいる財団法人キープ協会のキープやまねミュージアムと大成建設、清水建設、国内のヤマネの研究者グループでつくる「アニマルパスウエイ研究会」が開発した。 一辺が約30センチある鉄製の三角形のフレームをワイヤでいくつもつなぎ、床の部分に金網を張っている。つり橋のような造りになっている。金属製の屋根もついている。 同研究会が05年10月、北杜市のキープ協会の農場や牧草地を結ぶ林道上に試験的に作り、動物が通るかどうか実験してみた。06年5月にはリス、同年9月にはヤマネが通るのを確認した。 こうした成果を知った北杜市が、同市大泉町にあるキープ協会のシンボル的な建物の清泉寮近くの市道にもパスウエイを設置することを決めた。今年度、建設費として210万円を計上しており、7月中旬には完成させる予定という。やまねミュージアムの湊秋作(みなと・しゅうさく)館長によると、リスが車にはねられたことがある場所だという。 研究会に参加する清水建設地球環境部の岩本和明さんによると、設置するパスウエイは道路上からの高さが5.5メートルで、長さは約15メートル。鳥などに襲われた時に隠れられるよう、3メートルおきに避難用の筒も置く。カメラも設置し、どんな動物がどれくらいの頻度で使うかも確かめることにしている。 北杜市林政課の担当者は「有効かどうかを今年度いっぱい確かめた上で、他の場所にも設置できるか検討したい」と話している。 PR情報この記事の関連情報 |