「ガンダム」パロディーマンガが人気2007年06月19日 人気アニメが数ある中で、そのパロディーマンガで雑誌が出来て、しかも15万部も売れてしまうのは「機動戦士ガンダム」だけだろう。元ネタを知っている人にはたまらない、知らない人にも面白い。ガンダムパロディーマンガで続々と、傑作が生まれている。(アサヒ・コム編集部)
角川書店が01年から刊行する「月刊ガンダムエース」(当初は季刊)は、「ガンダム」ネタだけの雑誌だ。アニメ第1作の中心スタッフだった安彦良和さんが、その物語をマンガ化した「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」がメーンだが、脇を固めるパロディーギャグ作品が号を重ねるごとに勢いを増してきた。 昨秋、ギャグ中心の増刊「ガンダムエーススペシャル」を出したところ、本誌並みの15万部が売れた。予想を超えるヒットで年4回の刊行が決まり、今年5月の第1号も15万部以上を売った。 「ガンダムエース」の平尾知也編集長代理は、「読者の中心は30代の男性。子供の頃からよく知ってる『ガンダム』の世界にひたり、気楽なギャグで笑うことで、仕事で疲れた心を癒やしているのでは」と話す。 本編と同様、パロディーでも人気なのは、主人公アムロのライバルであるシャア。ちょっと気取った名セリフを数多く持つ、いじりがいのあるキャラクターだ。 大和田秀樹さんの「機動戦士ガンダムさん」では、シャアは敵の悪口をネットに書き込んだりするボケ役。その一方で、「30過ぎてもガンダムガンダムって、どうかと思うねボカァ!」という鋭い一言も。 「トニーたけざきのガンダム漫画」は、トニーさんが描く、安彦さんそっくりの絵柄が見もの。優柔不断なブライト艦長がマシンガンを撃ちまくる暴力キャラになったり、アムロが番長マンガの主人公になったり。カッコいい絵柄とギャグのギャップが絶妙だ。 アムロが「わんわんわんわん」、シャアも「わんわんわんわん」。 実験マンガの旗手、唐沢なをきさんによる「犬ガンダム」は、キャラクターをすべて犬にした、脱力感とかわいさあふれる作品。シリアスな人間ドラマが尻のなめ合いになり、壮大な戦闘がおしっこの掛け合いと化す。 ラストは、単なるギャグと思われた尻のなめ合いが、「人と人は理解し合えるか」という「ガンダム」のテーマにつながり、意外な感動を呼ぶ。 「『ガンダム』には思い入れできるキャラ、名場面、名セリフが多い。これだけパロディーで遊べる場所がたくさんある作品はない」と唐沢さん。 平尾さんは「犬のかわいさもあって、元ネタを知らない女性や子供のファンも多いですね」という。 今は本誌で「ぶよガンダム」を連載中。「みんな犬」の次は「みんなデブ」だ。「気楽に書いているので気楽に読んで下さい」と唐沢さん。 マンガの評論や原作も手がける編集家の竹熊健太郎さんは、「『ガンダム』は今も新しいアニメシリーズが作られ、若いファンを獲得している。その第1作は、ガンダム世代の30代後半だけでなく、20代や10代にとっても基本教養みたいなもの。すそ野が広いから、パロディーも受けるのでしょう」と話す。 PR情報この記事の関連情報 |