秋田杉でミニチュア古民家2007年07月04日 茅葺(かやぶ)きの古民家に魅せられた秋田県上小阿仁村の男性が、秋田杉を使ったミニチュアの古民家作りにノミを振るっている。この20年間で約300のミニチュア古民家を手がけた。「茅葺き民家は日本の原風景。世界に誇れる文化だ」という。ミニチュアにして美しさを後世に伝えようと制作している。
この男性は、上小阿仁村大林の畠山耕一さん(67)。畠山さんは、かつて大工の仕事をしていた。20年以上前、千葉県に出かけ、茅葺きの古民家解体の仕事をしたときのことだ。庭を整備する中で、木を根っこから掘り起こした。「根っこに近い部分の形が何となく、その民家に似ているような気がしてね」。ノミを使って手を加え、解体した民家の形に整えていった。「民家のご主人に贈ったところ、とても喜んでくれた。うれしかったね」 以来、古民家のミニチュア化にひかれるようになった。仕事の合間をみては県北地方を中心に回り、大工として培った目で茅葺き古民家の構造を丹念に調べていった。 材料は地元産の秋田杉。自宅の工房で、まず根っこに近い部分をチェーンソーでざっくりと民家のかたちのように切り込みを入れる。その後、幾種類ものノミを使い、形を整えていく。 畠山さんのミニチュアの多くは高さが40センチほど。入り口の格子戸も正確に再現している。屋根の部分にも彫りを加えることで、杉の年輪がほのかに波打つように見えるのも味わい深い。仕上げには幾重にもニスを塗る。 ミニチュア民家を一つ仕上げるのに少なくとも3カ月はかかる。「これまで300個くらい作ってきたかな」。口コミで少しずつ人気が広まり、県内外にファンが出来るようになった。 5年ほど前のことだ。宮城県気仙沼市から男性が訪ねてきた。畠山さんと同年代で、大工の棟梁(とうりょう)をしていたという。足を患い、リハビリを終えたばかり。ミニチュア民家のうわさを聞きつけて、はるばるやってきた。畠山さんの工房でミニチュア民家を目にするなり、男性は「ふるさとの家、そのままだ。なつかしい」と言って、涙をぽろぽろと落とし始めた。「自分のミニチュアで感動していただいて、作ってきたかいがあったと、こちらの胸も熱くなりましたね」 畠山さんは「その土地その土地で、古民家には微妙な違い、個性があり、興味は尽きない。茅葺きの家に住んだことのない若い人にも興味を持ってもらえれば」と話す。今後も、県内各地に残る古民家のミニチュアを手がけていきたいという。 ミニチュア民家は約5000円から。問い合わせは畠山工房(0186・77・2337)へ。 PR情報この記事の関連情報コミミ口コミ
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