iPhoneの実力はいかに。シリコンバレーでコミミ記者が試してみた2007年07月02日 先週末、全米を巻き込んだiPhoneフィーバー。シリコンバレーでも、行列をしていち早く入手した日系IT企業の専門家がいる。使い勝手や歴史的な意味、日本市場への影響などを聞いた。(アサヒ・コム編集部)
■新たな基準■ 「また時代が変わる、次の時代がきちゃった、ということ。今後は携帯もPCも、これが中心。アップルがまた新たな基準を作ってしまった」 吉川欣也(よしなり)さん(39)は興奮を抑えきれない様子だ。シリコンバレーで、ベンチャーキャピタルなどを経て現在はルーターの開発などを手がける「IP Infusion社」の共同創業者。事業開発担当の副社長でもある。渡米し7年、日米の携帯電話サービス、そしてアップルの動きをずっと見てきた。 iPhone発売前日の28日午後9時、マウンテンビュー市のAT&Tで、先頭から4番目に並んでいた。寝袋持参だった。 「そういえば(アップル創業者の一人の)スティーブ・ウオズニアックも行列に並んだ、と地元紙に出てました」 今回のiPhone、それほど衝撃的、歴史的なことなのか。 「IBMがコンピューターをつくり、アップルがパソコンをつくった、あの時以来の興奮だと思う。つまり、マウスとかアイコンが誕生して以来のインターフェースの革命とも言えます」 ■実際の操作■ 実際に目の前で操作してもらう。 指でスライドさせて起動。ウエブページや保存した家族の写真などを、二本の指で拡大したり縮小したりといった動作が、ストレスなくできる。住所録やメールのスクロールも驚くほどスピーディーだ。実際に手にすると、重すぎず軽すぎず、胸ポケットに収まる大きさで、手のひらにしっくりなじむ。 入手直後から、革新的な技術だと思った点を書き出していったら、すぐ50を超えた、という。 キーボード入力のボタンも、予想以上に大きく、押し間違えもなさそう。ユーチューブや写真、ウエブを見ている時、iPhoneを横にすれば横表示に、縦にすれば縦表示に、簡単に変わる。任天堂のゲーム機Wiiで採用された技術の応用だ。ワンセグ携帯の画面をわざわざ回転させる動作が、急に古くさく思えてくる。 細かな工夫も随所に見られる。例えば、イヤホン。音楽や映像に付いている音声をイヤホンで聴いているときに電話がかかってくると、音楽などが穏やかにフェードアウトし、受話器の音声が聞こえてくる。 ミュートボタンをヘッドホンのラインにつけた点も新しい。本体にはスピーカーがついているのも、iPodにはなかった点だ。 ■課題、問題は■ では、問題はないのか。発売前、多くの専門家が絶賛するなか、画面につく指の汗の脂の汚れが懸念されたが、「強化ガラスなので、布でふけばきれいにとれる。まったく気にならない」。 ただ、バグ(欠点)も多数見える、という。 例えばリングトーン(着信メロディー)は内蔵された十数種類のものからしか選べない。「せっかくiTunesがあるのに、なぜ着メロをダウンロードさせる機能をつけなかったのか」 さらに(1)本体に組み込まれた電池の寿命がはっきりせず、その交換方法もはっきりしない(2)メモリーカードスロットがない(3)アイコンの位置からして片手で操作しにくいなど、気になる点を指摘する。 「でも、あれこれコメントしやすい、ということはそれだけわかりやすい、クリアなコンセプトを示したということ。それがすごい」と、吉川さんは好意的だ。 メーン画面に並ぶアイコン。株価はヤフー、地図はグーグル、天気はヤフー、ユーチューブはグーグル、と交互に並ぶ。「味なことをすると思う。ライバルがいいところを互いに採り入れ発展していく、シリコンバレー流の伝統でしょう」 ■日本では■ 来年以降とされる日本上陸の影響はどうか。 「日本はこれまで携帯先進国でした。それが、一気にシリコンバレー発の、アメリカに奪われた形ですね。しかも、日本発売は欧州の次。一挙に後進国になりかねないですね」 シンプルなデザインや見やすい画面など、本来は日本メーカーが得意とするところで、iPhoneが日本勢につきつけたものは非常に重い、という。 iPhoneには現在、日本語入力機能はない。また、日本と欧米では携帯電話との通信の方式や課金システムの違いもある。日本で爆発的に普及するかどうかは未知数だが、その機能や先進性が、携帯ビジネスや使う人のライフスタイルを大きく左右することは間違いなさそうだ。 PR情報この記事の関連情報コミミ口コミ
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