本田宗一郎記念館、建設白紙に2007年07月08日 出身地の静岡県浜松市天竜区に計画されていた「本田宗一郎記念ものづくり伝承館」(仮称)について、浜松市は計画を白紙に戻す方針を固めた。記念館の新たな建設は取りやめ、故・本田氏の顕彰事業は既存建物を補修して活用する。昨年は本田氏生誕100年にあたり、本田記念館は、編入・合併した旧11市町村に浜松市が公約した象徴的な事業だった。中止になれば合併時の約束を盛り込んだ新市建設計画の初の見直しとなる。
当初の計画では、本田記念館は天竜区二俣町二俣の市有地に、木造2階建て(建物面積668平方メートル)。ホンダ初のモーターバイクやエンジン、本田氏の遺品や書籍などを展示するギャラリーのほか、ものづくりの体験や実演スペースを設けることにしていた。 建設費2億9800万円は、本田氏の遺族からの寄付金などを元にした顕彰基金から支出することにし、すでに実施設計を完了。建設費も今年2月議会で可決され、今月中に着工、来年2月末に完成の運びだった。 ところが、4月の市長選で新市建設計画の見直しなどを公約に掲げる鈴木康友市長が、合併時の約束順守を訴える現職を破って当選。事業見直しの機運が高まっていた。 市が問題視しているのは、館長らの人件費など年間2550万円と予想される記念館の維持管理費だ。入場料収入を差し引いても年間2335万円の持ち出しが永続的に続くと見ている。 これに対し、既存の建物を活用し、地元の自主管理に任せた場合、維持管理費は年間約500万円にとどまるとして、コスト面での利点を市は強調している。 新構想によると、記念館として活用するのは、旧天竜市となる前の旧二俣町役場庁舎。1936年の建築だが、昭和初期の面影を残す建物として、国の登録有形文化財に指定されている。今年度中に耐震調査を実施し、08年11月には補修工事を完成させたい考え。 一方、当初の記念館候補地は「ものづくり広場」として整備を検討中。ここに立つ築84年の蔵3棟は取り壊す予定だったが、外観の化粧直しをしてギャラリーなど、市民活動に充てる。今年度中には補修を終える。 市は両方の施設整備を約2億円と見ており、記念館を建設した場合より、整備費だけでも1億円程度下回りそうだ。 3棟の蔵を拠点に町の活性化運動に取り組んでいる女性は、蔵が存続すると聞き、「老朽化は全く問題ない。拠点が残るのはうれしい」。本田氏の顕彰活動をしている男性は「ハコ物は地域の活性化にならない。地域の歴史ある建物を活用する、市の決断は正解だと思う」と評価している。 PR情報コミミ口コミ
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