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ベニクラゲに大興奮

2007年08月10日

 山形・庄内浜では85年ぶりに採集されたベニクラゲ、和名はまだないクダクラゲの仲間――山形県鶴岡市立加茂水族館のクラネタリウムに新しい仲間が加わった。クラゲの展示種数は33種に達し、世界一のクラゲ飼育技術にも一段と磨きがかかる。

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ベニクラゲ(撮影・村上龍男館長)

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クダクラゲの仲間。毛玉状のクラゲが連なり、時には数十メートルに達する報告例も=加茂水族館で

 ベニクラゲは傘の高さと幅が1センチしかないが、傘の中に紅色の生殖腺があって美しい。一度死んだように海底に沈んだベニクラゲが、根状に変わり、稚クラゲになる前のポリプという状態に若返ることから「不老不死のクラゲ」といわれる。

 世界の温熱帯の沿岸、浅海にいて、日本でも北海道から沖縄まで生息している。庄内浜では1922年7月、湯野浜で採集された記録が、「山形県海産無脊椎(せきつい)動物」(鈴木庄一郎著、92年発行)に出ているだけ。

 加茂水族館のスタッフが6月19日、水族館近くで素潜りしていて小さなクラゲを見つけ、33個体を採集した。「もしかして」と思った通りベニクラゲだった。

 奥泉和也副館長は「大興奮でした。アクアマリンふくしま(水族館)からもらって飼育してきたが、庄内浜では実に85年ぶりですよ」。

 もう一種は、1センチほどの毛玉状のクラゲが数百個体で「群体」を作り、カギ型になったり長く伸びたり形を変えるクダクラゲの仲間だ。庄内浜で7月7日に採集した。長さ1メートル近い群れと30センチ前後がふた群れ。春から夏に観察され、これまでにも何回か採集したが、飼育は難しく、最長で1カ月しか飼えなかった。

 加茂水族館では、研究機関と共同開発した太鼓型の水槽に、このクラゲを入れた。水替えは毎日2割だけとし、エサもほんの少しに制限した。それが功を奏したか、群体はゆっくりと水槽内をたゆたいながら元気だ。

 「クラゲはデリケートで、少しでも条件が悪いと1週間も持たない。ホームページで紹介できないこともある。でも、飼育技術は着実に向上してきた」と奥泉さん。

 日本動物園水族館協会の年報(05年版)によると、加茂水族館の飼育クラゲは52種類に上る。展示は昨年6月の23種から一挙に33種まで増えた。バックヤードのクラゲ研究室にも続々と新顔が集まり、クラネタリウム全体を模様替えする準備が整いつつある。

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