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脱サラ天然かき氷人気

2007年08月18日

 夏の涼といえば、いまも昔もかき氷。平安時代には、氷室で保存した天然氷をかき氷にし、煮詰めたアマチャヅルの樹液をかけて天皇や側近たちが高級菓子として食べていたらしい。いまは珍しくなった天然氷を使ったかき氷を出す店が神奈川県藤沢市にある。

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天然かき氷の値段は1杯500〜800円

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天然氷を手にする石附浩太郎さん。「天然氷は採氷量に限りがあるのため、原則1日300杯限定にしています」

 口に含むとふわっと柔らかい。優しい甘さと冷たさが口いっぱいに広がる。キーンと頭にひびく冷たさはない。

 「氷を削る前日に冷凍庫から発泡スチロールの箱に移して氷の温度を上げておくからですよ」

 藤沢市鵠沼海岸3丁目にある「埜庵(のあん)」の主人、石附浩太郎さん(42)が言った。

 発泡スチロールの箱に入った天然氷は、大きい寒天のようだ。透明で角が丸く溶けみずみずしい。

 「ふつうのかき氷は冷凍庫から出してすぐ削るでしょう。マイナス18度くらいまで冷えている。でも、うちはマイナス4度くらいまで温度を上げてから削る。だからキーンとしないんです」

 石附さんはほぼ毎週、秩父(埼玉県)や日光(栃木県)の蔵元に700〜800キログラムの氷を求めに出かける。天然氷を扱う蔵元は、秩父、日光、軽井沢(長野県)などにわずかしかない。

 天然氷に初めて出会ったのは10年前だった。電機メーカーに勤めるサラリーマンだった。家族で訪れた秩父で、たまたま天然氷を使ったかき氷を食べた。口溶けの良さと清涼感に衝撃を受けた。翌週末も氷を食べに出かけ、2年後には仕事の傍ら、週末だけ蔵元で氷造りの手伝いをするようになった。

 会社を辞めて、かき氷の店を始めたのは5年前の37歳のときだ。

 今も冬には氷造りに出かける。山の中の製氷池と呼ばれるプールに10月、わき水を流し、あとは自然の寒さで凍らせる。厚さが15センチまで育つと切り出す。

 しかし、今年は暖冬で、昨年の4割程度しか天然氷ができなかったという。

 「氷造りは農業と一緒。自然に大きく左右されるんです。温暖化の影響なのか、気温が下がらない。来年はどうなるのか不安。でも、天然氷は日本の伝統的な食文化。きちんと守っていかないと」

 評判を聞き、県外からも客がやってくる。

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