社内副業のオタク雑誌「メカビ」が定期化2007年08月26日 講談社の社員が「社内副業」として始めた、オタク専門雑誌「メカビ」が、9月から定期発行されることになった。(アサヒ・コム編集部)
参院選の自民惨敗で、「ポスト安倍の筆頭」ともいわれる麻生外相。歯にきぬ着せぬ物言いの一方で、実は熱心なマンガオタクだ。世間に知られるきっかけの一つとなったのが、昨年7月の「メカビ」創刊号のインタビュー。当時、ネットの一部で話題になっていた「コアな少女漫画好きなのでは」という疑惑を突っ込み、さらに自分の好きなマンガについてひたすら語らせたのだ。 「メカビ」とは、「メカと美少女」の略。『電車男』のヒットで、オタクにメディアの注目が集まったが、当のオタクが求めている情報を載せたメディアがない……。そんな思いを抱えた講談社の若手社員2人が、社内企画公募に応募。「本来の業務をこなしつつならOK」という決定をもらった。 かくして、講談社最年少「編集長」になった松下友一さん(27)は、「オタク同士の狭い輪だけの話ではなく、オタクと社会の接点を提示する」として、創刊号で麻生外相のほか、養老孟司さん、Gacktさんにインタビュー。大手新聞社のアニメ担当記者を集めた鼎談(ていだん)も実現した。 第2号では、「萌え」ではなく、メカに「燃え」る男心を特集。売れるものより、自分たちが読みたいもの――そんな商業出版社らしからぬポリシーでやってきたという。 それでも売り上げは好調で、定期化が決まった。ただし「社内副業」状態はこれまでと同じ。 テレビアニメの番組改編期に合わせて、9月から3カ月おきに発行していく予定だ。 松下さんは、「アニメの新番組を徹底的に取り上げる。既存のアニメ誌とは一線を画して、評論やインタビューの多い、濃い雑誌にしていきたい」と話す。 「メカビ」以後、「オトナアニメ」(洋泉社)、「現代視覚文化研究」(三才ブックス)など、従来のアニメ誌よりも年齢が高めの読者層をターゲットにした雑誌が続々発行されている。「ニュータイプ」「アニメージュ」といったアニメ誌の大御所を含めてライバルの多い状況だが、「同じことをやっていても勝てない。スキマを探していきますよ」と気負いはない。 季刊化最初の号は、9月22日に発売される。表紙は、秋から始まる予定のアニメ「CLANNAD」。巻頭特集は、北米最大のアニメイベント「Anime Expo 2007」の総力ルポになるという。 PR情報この記事の関連情報 |