チェコアニメの鬼才、原宿で展覧会2007年09月02日 骸骨(がいこつ)や剥製(はくせい)のオブジェ。袋の奥に手を突っ込み触って鑑賞する「肖像画」。チェコのシュールリアリスト、シュヴァンクマイエル夫妻の怪奇と幻想に満ちた展覧会が、東京・原宿で開催中だ。(アサヒ・コム編集部)
ラフォーレミュージアム原宿(ラフォーレ原宿6階)で9月12日まで開催中の「ヤン&エヴァ シュヴァンクマイエル展〜アリス、あるいは快楽原則〜」。40年以上に及ぶ芸術活動から生まれた絵画や造形など、約200点が並ぶ。 原宿らしく、入場者はおしゃれな装いの若い女性が多い。魚に手足やしっぽが生えた博物画タッチの絵や、貝を組み合わせて人の顔に見立てたオブジェなどを見て、「キモチ悪いけどかわいいね」と、女性2人組。いま流行のキモカワ? のし棒やイスに羽や指サックやブラシの毛を植えた作品など、「触ったらどんな感じ?」と思わせる作品が多い。「触覚による肖像」という作品は、パネルから垂れ下がる黒い袋の奥に、女性の肖像が隠れている。こわごわ手を突っ込むと、これは革の房? これはゴムのでこぼこ? ボタン? 思わずいじくりまわしてしまう。 江戸川乱歩の「人間椅子」に触発された展示も。ヤンによれば、「それぞれの国にはそれぞれのE・A・ポーがいる。フランスにはリラダン、ドイツにはE・T・A・ホフマン、日本には乱歩」。黒いイスに写真の手や目をはり付けたイラスト連作で、映像化の構想もあると言う。 ヤンは「アリス」「悦楽共犯者」など、独特の悪夢的世界を描く映画監督として日本でも人気が高い。妻エヴァは映画で美術と衣装を担当していたが、05年に65歳で亡くなった。 会場には、性と夢をテーマとした絵画などエヴァ作品も多数展示。「ご覧になった方はどうか、エヴァのことを覚えておいてほしい」と、開催に合わせ来日したヤンは話した。 入場料は一般800円、学生600円。小学生以下無料。 PR情報この記事の関連情報 |