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コミミ口コミレジャー

サーファーの移住歓迎 茨城・大洗町

2007年10月09日

 ちょっと昔なら住民から疎んじられることもあったサーファーが、茨城県大洗町では今や「活性化の切り札」と見られている。首都圏などから同町に引っ越すサーファーが増加しているためで、人口減に悩む町は呼び込み策を練り始めた。ただ、定住を大々的に進めたくてもサーファーの求める働き先が少なく、「いい波があればどこへでも」と移り気なサーファーの心をつかみきれずにいる。

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サーフィンを楽しむ家族連れも多い大洗サンビーチ(本文中の家族とは関係ありません)=9月24日、大洗町で

 大洗町の不動産会社、椿山住宅販売によると、県外や町外から家を探しに来る客は3年ほど前から増え始め、最近は3割程度が町外からだ。売れ筋の戸建て住宅が2500万〜3000万円にまで下がり「湘南より割安で、房総半島より交通の便が良いという魅力がうけている」と同社は見る。

 中でもサーフィンを楽しみに引っ越す人が目立ち始めたという。

 背景として、離岸堤を建設したひたちなか市の阿字ケ浦海岸で波が穏やかになるなど、近隣サーフスポットの縮小が大きく影響している。

 サーファー増にあやかろうと大洗町は昨年度、茨城大学と連携し「大洗ライフスタイル研究会」を発足。サーフショップ代表者や商店、旅館経営者らを集め、大洗を訪れるサーファーの動向調査に乗り出した。

 調査では、大洗を訪れるサーファーは10〜50代と幅広く、栃木、東京、埼玉などから来る人が多いとわかった。大洗を好むのは「波が良好」「交通の便が良い」との理由が多く、定住や長期滞在を望む人は約70%にも上った。町は「サーファーが主体になって、地域を活気づける仕組み作りが必要だ」と期待する。

 かつて「地元の商店街や旅館で消費するわけでもなく、ゴミもよく捨てる」(同町関係者)と関心が薄かったころとは、一変しているのだ。

 サーファー側も町や住民との交流を図り出した。海を守ることなどを目的にしたサーファーの市民団体「茨城サーフィンユニオン」(ISU)は、05年にサーフィンを通じた大洗町の振興策をテーマにシンポジウムを開催。サーフショップや客らが集まり、ビーチの掃除を続ける。ISUの元会長の小野瀬祐一さん(48)は、「以前と異なり、サーファーの訴えが少しずつ理解されるようになった」と振り返る。

 ただ、サーファーの実生活をみると、町の「皮算用」通り活性化策が進むかどうかは微妙だ。

 千葉県野田市に住んでいた安斉正幸さん(41)は5年前、サーフィンに集中するため、仕事をやめて家族3人で大洗へ越してきた。だが生活を支えるため、新聞配達や工事現場、ラーメン店などアルバイトを転々とし、朝から夜まで仕事に追われた。好きなサーフィンに専念する時間は少ない。サーフィンに適した波があれば場所にこだわらない安斉さんは、「大洗に一生いる気はない」と現在九州などに移住も考えている。

 全国を見渡せば、サーファーに住みよい街づくりに取り組む自治体は大洗町だけではないという。競合するサーファー誘致の町に対向するためにも、ライフスタイル研究会の斎藤義則教授は「防波堤を作る公共工事より、波が消えないような環境作りが大切だ」と指摘する。

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