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温度差がエネルギー源 テクノラリーの妙技

2007年10月12日

 片手にほとんどが収まるコンパクトな車体は、車軸やクランクがむき出しだ。動力源は、熱。ガスバーナーでシリンダーの底をあぶって高温にし、レース出走に備える。早稲田大(東京都新宿区)で開かれた「国際スターリングテクノラリー」会場は、バーナーの熱だけでなく、ものづくりの熱気が渦巻いていた。(アサヒ・コム編集部)

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全長17.5センチ。8.8メートルの周回路を1.352秒で駆け抜けた「BAYON2」号=写真はいずれも早稲田大学で

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「BAYON2」号を手にする福井さん。福井さんは、ミニ宙返り耐久競技でも、最高記録をマークした

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ミニスピード競技の様子

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出走前、ガスバーナーでシリンダーを加熱

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ミニ宙返り耐久競技用の五輪コース。うまく走るには、精密なチューニングが必要

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半径40センチのループ。周回する車は速すぎて、撮影したら残像になってしまった

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人間乗車クラスのスターリングエンジンカーも個性派ぞろい

 テクノラリーは日本機械学会などの主催で、「第13回国際スターリングエンジン会議」の一環として開催された。車体幅10.5センチ以内の「ミニサイズクラス」と、人間が乗って10分間の走行距離を競う「人間乗車クラス」があり、高校、大学、個人で自作したスターリングエンジンカー49台がエントリーした。

 国内大会は過去10回を数えるが、「国際」大会は初。国内大会で入賞経験のある団体・個人が参加した。全参加者が国内からだったが、会議に集まった各国の研究者らが熱心に観戦した。11月17日には、埼玉県宮代町の日本工業大で第11回の国内大会がある。

 スターリングエンジンは、空気が暖まると膨張し、冷えると縮む性質を使って動く。原理は、熱気球が上下するのと同じだ。同じ容器の加熱・冷却を繰り返すのは大変なため、空気が加熱部と冷却部の間を移動する仕組み。1816年にスコットランドのスターリング牧師が発明した。

 燃料をエンジン内部で燃やす一般の自動車のエンジンと違い、熱源を選ばないのが特徴。太陽熱、バイオマス、人の体温などいろいろな熱源が利用でき、音も静かだ。

 小型の模型スターリングエンジンで意外に重宝するのが、ガラス製注射器だ。大敵である空気漏れが少なく、摩擦が小さい優れもので、ピストンとシリンダーによく使われている。

 ミニサイズクラスのスピード競技で優勝した神奈川県小田原市の会社員、福井隆史さん(34)は、8.8メートルのミニ四駆コースを1秒352で1周した。第1回大会に初めて参加した時は大学生。卒業後も毎年、個人参加している。

 優勝車は、車体の全長17.5センチ、幅10.3センチ、高さ4.6センチ。重量134グラム。加熱部と冷却部の間の「再生器」と呼ばれる部分を、細い管を束ねた「ハニカム構造」にして、高温部と低温部の温度差を保てるよう工夫したという。

 使用済みの天ぷら油を燃やしてシリンダーを外側から加熱するエコカーも登場。人間乗車クラスには、七輪や木炭を燃やして熱源にするアイデア車もエントリーした。

 このほかに行われた、ミニサイズクラス宙返り耐久競技の最高記録は、宙返り27.5周。参加車両は、半径約40センチのループを連ねた「五輪」マークを含むコースを疾走した。

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